目次(もくじ)
ドバイ万博とは何か？未来を体感できる世界最大級のイベント
2020年から2021年にかけて開催されたドバイ万博（Expo 2020 Dubai）は、アラブ首長国連邦で初めて開催された国際博覧会であり、世界中の国々が一堂に会して未来の可能性を探る場となりました。「Connecting Minds, Creating the Future（心をつなぎ、未来を創る）」というテーマのもと、192の国と地域が参加し、それぞれが独自のパビリオンを設けて最先端技術や文化、持続可能な開発の取り組みを披露しました。
ドバイ万博はただの展示会ではありません。ここではAI、ロボティクス、サステナビリティ、スマートシティなど、未来に直結する革新的なアイデアが集結しており、来場者はそれらを五感で体験することができます。万博というと堅苦しい印象を持つ人もいるかもしれませんが、ドバイ万博はまさに“エンターテインメントと知の融合”と呼べる空間でした。
また、開催地となったドバイは、常に世界の注目を集める都市でもあります。近未来的な高層ビルが林立し、砂漠と海が共存するこの都市自体が、万博のテーマにふさわしい舞台装置となっていました。万博会場「ディストリクト2020」も、今後はスマートシティとして再開発され、持続可能な都市モデルとなる予定です。こうした都市開発の未来像まで体感できる点も、ドバイ万博の大きな魅力でした。
この万博は、コロナ禍を経て世界が再びつながる契機となり、多くの人に新しい視点や可能性を提供しました。単なる観光では味わえない、知的好奇心をくすぐる貴重な体験が、ここにはありました。
アクセス方法と事前準備：ドバイ万博に行くための完全ガイド
ドバイ万博を訪れるには、しっかりとした事前準備が不可欠です。まず、航空券の手配から始めましょう。日本からドバイへは、成田・羽田・関西国際空港などからエミレーツ航空やカタール航空などの中東系航空会社が直行便や乗り継ぎ便を運航しています。直行便の場合、約11時間のフライトで到着可能です。早期予約をすることで、割安な料金でのチケット取得が可能になります。
次にビザの確認です。日本国籍のパスポートを持つ旅行者は、短期滞在であれば入国時にビザが無料で発行されるため、特別な申請は不要です。ただし、パスポートの残存有効期間が6か月以上あることが条件となりますので注意が必要です。
ドバイ万博の会場へは、ドバイ市内からメトロ「Route 2020」で簡単にアクセス可能です。終点の「Expo 2020 Station」で下車すれば、会場のメインゲートに直結しているため、非常に便利です。メトロは清潔で安全、観光客にも使いやすいのが特徴です。また、タクシーやレンタカーも選択肢としてありますが、渋滞や駐車場の混雑を考慮すると、公共交通機関の利用がおすすめです。
事前に万博公式アプリをダウンロードしておくと、パビリオンの情報や混雑状況、イベントスケジュールなどをリアルタイムで確認でき、当日の行動計画が立てやすくなります。さらに、Wi-Fi環境も整っているため、会場内での通信も心配いりません。
その他の準備としては、日差しが強いため帽子やサングラス、日焼け止めの持参が重要です。また、会場は広大なため、歩きやすい靴も必須です。飲料水は会場内で購入できますが、持ち込みも可能なので、軽量のボトルを持参すると便利です。準備を万全にしておけば、当日は万博の魅力を存分に楽しむことができます。
異文化が融合するパビリオンの魅力：各国ブースで出会う未来技術
ドバイ万博の最大の見どころといえば、世界192カ国が出展した個性豊かなパビリオンの数々です。それぞれの国が独自のテーマでブースを展開しており、最新技術の展示から伝統文化の紹介まで、多様性に満ちた体験ができます。パビリオンは「機会（Opportunity）」「モビリティ（Mobility）」「持続可能性（Sustainability）」の3つのディストリクトに分かれており、来場者は興味のある分野に合わせてルートを決めることができます。
日本館は、「Where ideas meet」というコンセプトのもと、折り紙をモチーフにした独特の外観で注目を集めました。内部では、プロジェクションマッピングやインタラクティブな展示を通じて、日本の技術や精神文化が紹介されており、訪れた多くの人が感動を口にしていました。
他にも、アメリカ館では月の石が展示され、NASAの最新宇宙探査ミッションの紹介が行われるなど、まさに夢と科学の最前線が詰まっています。中国館はLEDを駆使した巨大なスクリーンによるダイナミックな映像演出で話題となり、UAE館では伝統と未来が融合した建築美が人々を魅了していました。
アフリカ諸国のパビリオンも、独自の視点での持続可能な開発や地域資源の活用事例など、メディアではなかなか触れられない情報に触れられる貴重な場所です。パビリオンを回るだけで、まるで世界一周旅行をしているような気分にさせてくれます。
テクノロジー、アート、文化、環境問題──。それぞれの国が自国の課題と向き合いながら、どのように未来へと進んでいくのか。その答えが詰まった場所が、ドバイ万博のパビリオンです。ここで得た気づきやインスピレーションは、きっと来場者の中で長く残るはずです。
アラビアンナイトの世界観を体感！中東ならではの幻想的な演出
ドバイ万博を訪れてまず驚かされるのは、その幻想的な空間演出です。特に夜になると、まるでアラビアンナイトの物語の中に迷い込んだかのような風景が広がります。会場全体がライトアップされ、建築物やオブジェがカラフルな照明に包まれ、砂漠の都市に浮かぶ近未来都市のような姿へと変貌します。
UAE館のドーム型建築は、その幾何学的な模様がライトで美しく照らされ、見る者を圧倒します。音と光のシンクロ演出が定期的に行われ、訪れるたびに異なる表情を見せるのも魅力のひとつです。また、「Al Wasl Plaza」という万博の中心地では、360度に映し出されるプロジェクションマッピングによるショーが行われ、まるで空全体がスクリーンのように見えます。
音楽も重要な要素で、アラビア音楽と現代のエレクトロニックサウンドが融合したサウンドスケープは、異国情緒と未来感覚の絶妙なバランスを演出します。時にはベリーダンスや伝統的な民族楽器のライブ演奏も行われ、まさに五感を通じて中東文化を体感できる場となっています。
建築物や広場だけでなく、屋台やカフェ、休憩スペースにまで統一されたデザイン美学が感じられ、ただ歩いているだけでも旅の感動を味わえます。アラビアンナイトを思わせる天幕や装飾、絨毯などのインテリアも丁寧に再現されており、細部にまでこだわりが感じられるのが印象的です。
昼間の賑やかな未来志向の雰囲気とは対照的に、夜の万博はロマンティックで幻想的。訪れるならぜひ日没後まで滞在して、この特別な雰囲気を味わうことをおすすめします。中東ならではの美学が、未来の博覧会に見事に融合した空間は、まさに一生の思い出になることでしょう。
会場内のフォトスポットと絶景エリア：映える風景と建築美を紹介
ドバイ万博の会場には、写真好きにはたまらないフォトジェニックなスポットが数多く点在しています。そのどれもが、単なる記念写真では終わらない、建築的にも芸術的にも完成度の高い空間ばかりで、まさに「インスタ映え」の宝庫と言えるでしょう。
まずおすすめしたいのが、万博の中心である「Al Wasl Plaza」です。巨大なドーム状の屋根にはプロジェクションマッピングが投影され、昼と夜でまったく異なる表情を見せてくれます。特に夜の演出は息をのむ美しさで、多くの来場者が三脚を立てて撮影しているほどです。円形の広場を囲むようにカフェやベンチも整備されており、リラックスしながら幻想的な風景を楽しむことができます。
また、各国のパビリオンもそれぞれが独創的なデザインを誇っており、建築ファンにとってはまさに夢のような空間です。たとえばイギリス館は、詩の断片が刻まれた白い筒状の建築で、見る角度によって異なる表情を見せるのが特徴です。サウジアラビア館では、全面LEDの巨大スクリーンが未来都市を再現しており、まるでSF映画の中に入り込んだような気分になれます。
会場の外周部には自然をテーマにした展示やアートオブジェも多く、特に「サステナビリティ・パビリオン（Terra）」周辺は緑豊かな植栽と近未来的なソーラーパネルのコントラストが美しく、絶好の撮影スポットとなっています。環境を意識したランドスケープデザインが施されており、昼の光でも写真映えする構造です。
さらに、敷地内を移動するモノレールや歩道橋の上からは、万博全体を俯瞰するようなパノラマショットも狙えます。こうした高低差を活かした視点の違いも、ドバイ万博の写真撮影を一層楽しいものにしてくれます。
撮影の際には、会場の公式アプリやパンフレットを活用すると、隠れた名スポットも見逃さずに済みます。どこを切り取っても美しいこの会場で、自分だけの特別な一枚を探す旅も、ドバイ万博の醍醐味の一つと言えるでしょう。
ドバイ万博限定グルメを堪能！絶対に食べたいおすすめフード10選
ドバイ万博では、世界中のグルメが一堂に会するという点でも、非常に魅力的な体験ができます。会場内には200を超えるレストランやフードスタンドがあり、それぞれがその国ならではの味を提供しています。旅行者にとっては、わずか一日で世界一周グルメ旅が楽しめるような、贅沢な食体験が可能です。
まず注目すべきは、UAEの伝統料理「マチブース（Machboos）」。スパイスで炊き上げた米に肉や魚をのせた郷土料理で、香りと味のバランスが絶妙です。現地の調理法にこだわった屋台がいくつか出店しており、本場の味を気軽に楽しめます。
続いて、日本館近くで提供されていた「和牛バーガー」も評判でした。ジューシーな和牛パティに照り焼きソースが絡み、外国人旅行者の間でも人気を集めていました。パビリオンとは別に、日本のB級グルメを集めたフードスタンドもあり、たこ焼きや焼きそばなども気軽に味わえます。
イタリア館周辺では、ナポリ直送のモッツァレラチーズを使用した本格ピザが提供され、フランス館では上質なバターを使ったクロワッサンやスイーツが楽しめます。インド館のスパイスカレーも香り豊かで、ベジタリアンメニューも充実しており、宗教や食の制限がある人にも配慮された構成になっていました。
他にも、タイ館の「トムヤムクンラーメン」、トルコ館の「ケバブロール」、韓国館の「キムチチヂミ」、アメリカ館の「グルメホットドッグ」、ブラジル館の「シュラスコ串」など、列を成す人気店が多く、どこから食べ始めるか迷うほどです。
ドリンク類もバラエティ豊かで、中東ならではのデーツシェイクや、暑い気候にぴったりのフレッシュジュースが提供されています。全体的に値段は少々高めですが、どれもクオリティが高く、食の満足度は非常に高いと言えます。
現地でのトラブル対策と安全情報：旅行者が気をつけたいポイント
ドバイは中東の中でも非常に治安が良く、観光客にとっても安心して滞在できる都市として知られています。しかし、海外旅行である以上、一定の注意は必要です。特にドバイ万博のような大規模イベントでは、会場が広く混雑することも多いため、事前に安全対策を講じておくことでより快適に旅を楽しむことができます。
まず重要なのは、パスポートや貴重品の管理です。ドバイではスリなどの犯罪は比較的少ないとされていますが、それでも人混みの中では注意が必要です。会場内を歩く際は、リュックサックやボディバッグを使用し、貴重品は身体の前側で保持できるようにしておくと安心です。また、パスポートのコピーをスマホやクラウドに保存しておくことも万が一の対策になります。
次に気をつけたいのが気候です。ドバイは年間を通して暑い日が多く、特に日中の気温は40度を超えることもあります。熱中症対策としては、こまめな水分補給、日焼け止めの使用、帽子やサングラスの着用が必須です。万博会場では給水所も設置されているため、水筒を持参しておくと便利です。
また、イスラム圏であることから、文化やマナーにも配慮する必要があります。ドバイは比較的寛容な都市ですが、公共の場での過度な肌の露出や、恋人同士の過度なスキンシップは避けるのがマナーです。特に万博会場では多くの国からの来場者が訪れているため、文化的な多様性を尊重した行動が求められます。
言語面では、英語が広く通じるため、コミュニケーションに困ることはあまりありません。公式アプリや案内表示も多言語に対応しており、日本語表記も一部で見られました。ただし、現地スタッフとのやり取りは基本的に英語になるため、簡単なフレーズを覚えておくと安心です。
最後に、緊急時の対応方法についても確認しておきましょう。ドバイでは警察や救急の対応が迅速で、万博会場内にも案内所や医療ステーションが設けられています。何かトラブルが発生した場合は、まず近くのスタッフに声をかけることが重要です。また、旅行保険に加入しておけば、ケガや病気の際にも安心です。
これらのポイントを押さえておけば、ドバイ万博をより安全かつ快適に楽しむことができます。
お土産選びも楽しみのひとつ：万博ならではの限定アイテムと人気グッズ
ドバイ万博では、世界各国の文化と最先端技術を体験するだけでなく、魅力的なお土産探しも大きな楽しみのひとつです。会場内には公式ショップはもちろん、各国パビリオンにもそれぞれの特色を活かした限定グッズが多数揃っており、旅行の記念にもぴったりなアイテムが揃っています。
まず訪れておきたいのが、万博の公式ストアです。ここでは、ドバイ万博の公式マスコットキャラクター「ラシード」と「ラティファ」をモチーフにしたぬいぐるみや文房具、マグカップなど、子どもから大人まで楽しめる商品が豊富に揃っています。ロゴ入りのTシャツやキャップも人気で、実際に着用している来場者も多く見かけました。
各国パビリオンも、それぞれが自国の文化や技術を表現するグッズを販売しています。たとえば日本館では、和紙や漆器、風呂敷などの伝統工芸品をモダンにアレンジしたアイテムが人気を集めていました。アラブ首長国連邦館では、香水やデーツ、アバヤといった中東ならではの品々が所狭しと並び、特に香料系は日本では手に入りにくいレアな商品として注目されました。
他にも、イタリア館では美しいガラス製品やレザー小物、韓国館ではK-POPアイドルとのコラボグッズなど、国ごとの個性が反映されたアイテムを探すのも一つの楽しみです。また、会場限定のスタンプラリー帳もあり、各国を回ってスタンプを集める旅の記録帳としてもおすすめです。
食べ物系のお土産も充実しており、UAEの高級デーツやピスタチオ、スパイスミックスなどは特に人気。軽量で持ち運びやすく、日本の友人や家族への贈り物にも喜ばれます。パッケージも美しくデザインされているものが多く、もらって嬉しい、見て楽しいお土産として最適です。
お土産選びのコツは、気になったらその場で購入しておくことです。会場が広く、もう一度戻るのが大変な場合もあるため、目についたものは即決がベスト。また、カード払いが主流ですが、少額の現金も用意しておくとローカルショップでもスムーズに対応できます。
未来と伝統が交差するアートとテクノロジーの展示に感動
ドバイ万博の大きな魅力の一つが、世界各国が競い合うように披露している最先端のテクノロジー展示と、古来から受け継がれる伝統文化の融合です。会場全体が「未来」と「過去」、「革新」と「歴史」をテーマにした巨大な展示空間となっており、訪れるたびに新しい発見と驚きをもたらしてくれます。
例えば、UAE館では、砂漠の民としての歴史や文化を紹介するエリアと、宇宙開発やAI技術などを紹介する未来的なセクションが共存しており、ひとつの国がいかにして過去と未来をつなげているかを体感できます。ラクダに乗っていた時代から火星探査を目指す時代へと至る、その過程をビジュアルとインタラクティブな展示で表現しており、非常に印象的でした。
日本館でも、折り紙や書道といった伝統的な芸術を、デジタルアートやVRと組み合わせて展示しており、「静と動」のバランスに心を奪われます。特に「未来の対話」をテーマにしたインスタレーションは、来場者がAIと対話を通じて日本文化に触れる仕掛けとなっていて、深く考えさせられる展示でした。
また、サステナビリティ・パビリオン「Terra」は、地球環境と人類の共存についてのテーマに基づき、最新のグリーンテクノロジーと自然を融合した設計になっています。巨大なソーラーパネルが蓮の葉のように広がる屋根は芸術作品のようでもあり、内部では海洋ゴミ問題や再生可能エネルギーについて体験型で学べる仕組みが充実しています。
そのほか、アート面ではアフリカ諸国のパビリオンに多く見られる伝統工芸や、オーストリア館に設置された音と空気をテーマにした現代アート作品など、ジャンルも多様です。これらは単なる展示ではなく、訪れる者に何かを問いかけ、感情や思考を喚起させるものばかりです。
ドバイ万博を訪れることで、私たちは単に「技術の進歩」や「未来の便利さ」を体感するだけではなく、それがどのようにして人間の文化や芸術と結びついていくのかという、大きな視点での問いに触れることができます。そうした意味でも、万博は単なる見物ではなく、「世界と自分をつなぐ哲学的な旅」であると感じさせられます。
まとめ
ドバイ万博は、単なる一大イベントにとどまらず、世界中の文化・技術・芸術が一堂に会する壮大な舞台です。入場から各国パビリオンの巡り方、ドバイならではの絶景やグルメの楽しみ方、さらには現地での安全対策やお土産探しまで、多様な視点で体験できる内容に満ちています。そして、そのすべてにおいて一貫して感じられるのが、「人類の未来」への希望と、「多様性の美しさ」への敬意です。
現地に足を運べば、写真や映像では決して伝わらない熱気や感動が待っています。何より、国籍や宗教、文化の違いを超えて、「共に未来を創る」というメッセージが、訪れる者すべての心に響くでしょう。
ドバイ万博での旅は、まさに夢と未来が交差する瞬間の連続です。現代のアラビアンナイトのような、非日常と幻想の世界に浸ることができるこの体験は、一生の思い出になること間違いありません。もし次の万博にも訪れる機会があれば、その旅はさらに豊かで深いものになるでしょう。