なぜ今、モルディブではなくバリ島の海が選ばれているのか？現地でわかった5つの理由

モルディブよりもバリ島？旅行者の選択に変化が起きている

かつて「海の楽園」といえばモルディブというイメージが強く、多くの人々が一生に一度は訪れたい憧れのリゾート地としてその名を挙げていました。確かにモルディブの海はどこまでも青く澄み、ラグジュアリーな水上ヴィラは夢のような空間です。しかし近年、観光業界の潮流に変化が見られます。リゾート好きやビーチ愛好家たちの間で、今バリ島への注目度が急速に高まっているのです。特にコロナ禍以降、旅行者の価値観が大きく変わり、単なる高級さだけではなく、コストパフォーマンスや文化的体験、自由度の高さがより重要視されるようになりました。

SNSでも「バリ島の海が意外とすごい」「モルディブより好きになった」という投稿が増えており、リピーターの多さも特徴です。南国のリゾートという意味では共通点が多い両地域ですが、バリ島はその魅力を一段と多角的に広げており、多様な層の旅行者に刺さるポイントを数多く備えています。本記事では、実際に現地で得られた情報をもとに、なぜ今モルディブではなくバリ島が選ばれているのか、その理由を5つの観点から丁寧に掘り下げていきます。

宿泊コストとサービスのバランスで見えるバリ島の強み

バリ島が注目される最も大きな理由のひとつが、宿泊費とサービスのバランスにあります。モルディブの宿泊施設は非常に高額で、1泊あたり10万円を超える水上ヴィラが一般的です。もちろんその対価としてのラグジュアリーな体験は素晴らしいものですが、長期滞在を希望する人や家族連れには、やや現実的ではない価格設定といえるでしょう。

一方でバリ島では、1泊1〜2万円台で極めて高品質なヴィラやホテルが豊富に揃っています。中にはプライベートプール付きのヴィラでも1泊1万円台という驚きの価格で提供されていることも珍しくありません。しかもその多くは、朝食付き、送迎付き、スパ付きなどサービスが充実しており、コストパフォーマンスの高さが光ります。

また、ローカルのホスピタリティにも定評があります。従業員が親しみやすく、温かいもてなしをしてくれる点は、多くの観光客に安心感を与えています。価格を抑えながらも、快適さと特別感の両方を求める旅行者にとって、バリ島はまさに理想的な滞在先といえるでしょう。

さらに、宿泊施設の選択肢が広いことも大きな魅力です。バックパッカー向けの格安ゲストハウスから、世界的な高級ホテルチェーンのリゾート、さらには現地の建築様式を取り入れた個性的なブティックホテルまで、用途や予算に合わせて柔軟に選べるのは、モルディブにはない自由度といえます。

多彩なビーチが魅力！クタ・ヌサドゥア・ウルワツの個性とは

バリ島の海が支持される背景には、ビーチごとの個性の豊かさが大きく影響しています。モルディブのビーチは、基本的にどこも白砂で静かなラグーンに囲まれた似たような景色が広がりますが、バリ島には異なる雰囲気やアクティビティを楽しめるビーチが数多く存在します。

たとえば、クタビーチは若者に人気のスポットで、サーフィン初心者向けの波と活気ある雰囲気が魅力です。ビーチ沿いにはカフェやバーが立ち並び、昼夜問わずにぎわいを見せています。サンセットの時間帯には、真っ赤に染まる海と空がロマンチックなムードを演出し、恋人たちにも人気です。

一方でヌサドゥアは、落ち着いた高級リゾートが並ぶエリアで、白い砂浜と透明度の高い海が広がっています。静けさを求めるカップルや家族連れにおすすめで、スノーケリングやカヤックなどのアクティビティも楽しめる環境が整っています。ホテルの敷地からそのまま海にアクセスできる場所も多く、利便性の面でも優れています。

そして、ウルワツは断崖絶壁に広がる絶景の中で、サーフィンの聖地としても知られています。上級者向けの波が押し寄せ、世界中のサーファーがこの地を目指します。また、夕暮れ時には有名な「ウルワツ寺院」からインド洋に沈む夕日を望める絶景スポットがあり、観光とビーチを同時に楽しむことができます。

このように、目的や気分に合わせて選べるビーチの多様性こそが、バリ島の海が飽きられず、何度でも訪れたくなる理由のひとつなのです。

観光だけじゃない！地元文化と海が融合するバリ島ならではの魅力

バリ島の特筆すべき特徴のひとつは、「観光地でありながら文化を深く体験できる場所」であることです。モルディブの多くのリゾートは孤立した人工島にあり、観光客はホテルの敷地内で過ごすことが中心になります。一方バリ島では、ビーチリゾートと伝統文化が融合しており、滞在の中で自然に地元の文化に触れることができます。

たとえば、有名なバリ舞踊やガムラン音楽のパフォーマンスは、海沿いのレストランや寺院でも頻繁に行われており、観光客が気軽に鑑賞できます。また、ヒンドゥー教の儀式やお供え物が街中にあふれている風景は、バリ島独自のスピリチュアルな雰囲気を醸し出しており、観光だけでは得られない「記憶に残る旅体験」を提供してくれます。

さらに、現地の人々との交流もしやすいのがバリ島の魅力です。観光地でありながら、素朴で温かい人柄に触れることができ、ローカルの食堂や市場、ワークショップに参加することで、海辺の旅が文化的な学びへと広がっていきます。ビーチでのんびり過ごすだけでなく、伝統工芸や寺院巡り、地元の祭りに参加するなど、旅の幅が自然と広がる点は、他のリゾート地にはない大きな魅力です。

このように、バリ島では観光と文化体験が同時進行で楽しめるため、より深みのある、心に残る旅を求める人々にとって非常に魅力的な場所となっています。

アクセスの良さと航空費の違いが旅行計画を左右する

旅行先を決める上で重要な要素のひとつが「アクセスのしやすさ」と「航空券の価格」です。特に長距離の海外旅行では、移動時間の長さや乗り継ぎの有無、飛行機代の違いが旅の満足度や予算に大きな影響を与えます。この点で、バリ島はモルディブに比べて優位な点がいくつもあります。

まずアクセスに関して言えば、日本からバリ島への直行便が複数あり、移動時間も平均7〜8時間程度で済むことが多いです。東京や大阪からガルーダ・インドネシア航空をはじめとする直行便が運航されており、乗り継ぎのストレスなくスムーズに到着できます。一方、モルディブへの旅は多くの場合、シンガポールやドーハ、クアラルンプールといった第三国を経由する必要があり、乗り継ぎ時間を含めると15時間以上かかることも珍しくありません。

また航空券の価格にも大きな差があります。バリ島行きの航空券は、時期によっては往復6万〜8万円程度で購入可能ですが、モルディブ行きは往復10万円を超えることが多く、さらにシーズン中にはそれ以上に高騰することもあります。格安航空会社や旅行会社のパッケージツアーもバリ島は充実しており、よりリーズナブルにリゾート体験を楽しみたい層にとっては、大きな魅力となっています。

移動コストと所要時間のバランスを考慮すれば、バリ島の利便性は明らかです。特に休暇の長さが限られている会社員や学生にとって、短い滞在でも十分に楽しめる場所であることは大きなアドバンテージとなります。

グルメと海の相性が抜群！バリ島ビーチ沿いの絶品ローカルフード

海を眺めながら美味しい食事を楽しめるのは、南国リゾートの醍醐味のひとつです。バリ島では、この「食と景色の融合」が非常に充実しており、旅行者の食欲と感性の両方を満たしてくれます。しかもその多くが、驚くほどリーズナブルな価格で楽しめるのもポイントです。

ビーチ沿いのワルン（地元の食堂）では、新鮮なシーフードをふんだんに使った料理が並びます。グリルしたエビや魚、イカに甘辛いバリ風ソースを絡めた「イカン・バカール」や、バナナの葉に包んで蒸し焼きにする「ペペス」など、現地ならではの調理法で提供される海鮮料理は絶品です。これらを波の音を聞きながら、裸足でビーチの椅子に座って味わう体験は、まさに非日常そのものです。

さらに、世界中から観光客が訪れるバリ島には、各国の料理を提供するレストランも豊富に揃っています。イタリアン、フレンチ、和食、ヴィーガン料理など、多様な食文化を楽しむことができるため、長期滞在でも食事に飽きることがありません。高級レストランからカジュアルなビーチカフェまで、シーンに応じて選べるのも魅力です。

また、最近では健康志向の旅行者向けに、地元産のスーパーフードを使ったヘルシーボウルやコールドプレスジュースを提供するカフェも人気を集めています。特にチャングーやウブド周辺では、おしゃれで健康的な朝食を海を眺めながら楽しめるスポットが次々に登場しています。

このように、バリ島では「海を楽しむ＝食も楽しむ」という図式が自然に成り立っており、グルメの面でも充実したリゾートライフが実現できるのです。

海の透明度だけじゃない！体験型アクティビティの豊富さが人気の秘密

リゾート地の海といえば、まず思い浮かぶのは「透明度の高い海」でしょう。モルディブもその点では世界屈指の美しさを誇りますが、バリ島の海の魅力は単に透明度の話にとどまりません。むしろバリ島では、「海をどう楽しむか」の体験の幅が非常に広く、多くの旅行者にとって魅力的なポイントになっています。

たとえば、サーフィンはバリ島を語るうえで欠かせないアクティビティです。世界中からプロや愛好家が集まるスポットであり、初心者向けのレッスンも豊富に用意されています。波に乗るという非日常的な体験を通して、海と一体になる感覚を味わうことができます。

また、ダイビングやスノーケリングも人気です。バリ島周辺には、レンボンガン島やペニダ島など、手つかずの自然が残るエリアが点在しており、色とりどりの魚やサンゴ礁が広がっています。ウミガメやマンタに出会えるスポットもあり、まるで海中の楽園に迷い込んだかのような感動を味わえます。

さらに、ジェットスキーやパラセーリング、シーカヤックといったマリンスポーツも手軽に楽しめるのがバリ島の強みです。特に家族連れやグループ旅行では、みんなでワイワイ楽しめるアクティビティが充実していることが、旅の満足度を大きく高めます。

モルディブは高級リゾート内での静かな時間を過ごすスタイルが主流ですが、バリ島では「動の楽しみ」が随所に用意されており、アクティブに海を満喫したい人にとっては最適な環境です。これこそが、リピーターが絶えない理由の一つでもあるのです。

子連れ・カップル・一人旅でも満足度が高い理由とは？

バリ島の魅力は、どんな旅行スタイルにも柔軟に対応できる点にあります。モルディブはハネムーンやカップル向けのラグジュアリーな雰囲気が強く、一人旅や子連れ旅行にはやや不向きとされることが多いですが、バリ島はその真逆ともいえる多様性を誇ります。

まず、子連れ旅行者にとっては、家族向けのリゾートやヴィラが豊富にあり、プール付きの宿やキッズクラブ、ベビーシッターサービスを提供する施設も多く見られます。また、海以外にも動物園やアスレチックパーク、水族館など、子どもが喜ぶスポットが充実しており、家族全員が楽しめる環境が整っています。

カップル向けには、静かでロマンチックなビーチや、プライベート感のあるヴィラ、絶景を望むレストランが豊富に用意されています。特にウブドやチャングーなどのエリアでは、自然と調和した空間の中でリラクゼーションを堪能できるため、新婚旅行や記念日旅行にも最適です。

そして一人旅の旅行者にも優しいのがバリ島の良さです。宿泊費がリーズナブルなだけでなく、カフェ文化やヨガクラス、マッサージなど、1人でも気軽に参加できるアクティビティがたくさんあります。また、ホステルやゲストハウスでは他の旅行者と自然に交流できる場もあり、一人でも孤独を感じにくい環境が整っています。

こうした多様なニーズに応えられる柔軟性と、受け入れ体制の広さが、バリ島があらゆる世代・旅行スタイルに愛される最大の理由といえるでしょう。

モルディブとの比較で見えてくる「自由度」と「選択肢の広さ」

モルディブとバリ島の大きな違いのひとつに、「自由度」と「選択肢の広さ」があります。モルディブでは、リゾートごとに専用の島を所有していることが多く、宿泊客は基本的にそのリゾートの敷地内で過ごすことになります。移動もボートや水上飛行機が必要で、外出や観光には制限があるため、「閉じた空間」での滞在が主なスタイルとなっています。

一方、バリ島では島全体が観光地となっており、滞在中にさまざまな場所へ自由に足を運ぶことができます。ビーチだけでなく、山岳エリアや棚田、寺院、伝統市場、スパ、ヨガスタジオなど、移動範囲が広く、過ごし方に無限のバリエーションがあるのが特徴です。

さらに、旅行者の興味や気分に応じて、その場でプランを変更したり、移動したりできるのも自由度の高さの表れです。たとえば、初日は賑やかなクタでアクティブに過ごし、次の日は静かなヌサドゥアでゆったり過ごす、といったことが容易に実現できます。公共交通手段や配車アプリ（GoJekやGrab）の普及もあり、個人旅行者でも不自由なく移動できる点も評価が高いです。

宿泊先も、予算やスタイルに応じて柔軟に選ぶことができます。リゾートホテル、ヴィラ、ゲストハウス、バジェットホテルなど、その日の気分や滞在目的によって選択肢を変えることができ、旅の自由度が非常に高いのです。これにより、旅行者一人ひとりが自分の理想に合わせた旅をデザインすることが可能になります。

このような「自由に動ける」という感覚こそが、多くの人がモルディブではなくバリ島を選ぶ大きな理由となっているのです。

実際に訪れた人のリアルな声：バリ島の海はここが違った！

バリ島とモルディブの比較は、観光パンフレットやネットの情報だけではわかりにくい部分もあります。そこで注目したいのが、実際に両方を訪れた旅行者のリアルな声です。SNSや旅行口コミサイトでは、「意外とバリ島の方が満足度が高かった」という意見が目立ってきています。

「モルディブは確かに美しかったけど、やることが少なくて退屈だった」「リゾートの敷地から出られない閉塞感があった」といった声に対し、「バリ島は食事、買い物、観光、マッサージとにかく全部楽しめた」「海のクオリティも想像以上に良くて、コスパが抜群だった」といった評価が多数寄せられています。

また、初めての海外旅行だったというカップルは、「モルディブはロマンチックだけど緊張した。でもバリ島は地元の人がフレンドリーでリラックスできた」と話しています。旅の雰囲気や心地よさは数字では測れない要素ですが、こうした口コミからも、バリ島の受け入れられやすさと総合力の高さが感じられます。

とくに日本人観光客にとっては、現地の日本語対応スタッフが比較的多いことや、和食レストランが充実している点など、慣れ親しんだ要素が散りばめられており、初めてでも安心して楽しめるという点が支持を集めている理由のひとつです。

リアルな体験談ほど信頼できる情報はありません。口コミの積み重ねが、今のバリ島人気を支えているといっても過言ではないでしょう。

コロナ以降の旅行スタイルがバリ島に追い風を与えた背景

コロナ禍は、世界中の人々のライフスタイルや価値観、そして旅行に対する考え方を大きく変えました。リモートワークやワーケーションといった新しい働き方が広がる中で、旅行者は「非日常のラグジュアリー」だけでなく、「長く滞在できる居心地のよさ」や「柔軟な旅程」を重視するようになってきました。このような潮流が、結果としてバリ島への関心を高める大きな要因となっています。

まず、バリ島は比較的早い段階で観光客の受け入れを再開し、安全対策と利便性の両立を実現しました。空港の再整備や入国管理の合理化、各ホテルの衛生管理体制など、コロナ対策に対する真摯な姿勢が旅行者から高評価を受けています。モルディブも早期に観光を再開した国のひとつではありますが、やはり「島ごとリゾート」の性質上、外部との交流が限られ、自由な旅程には向きませんでした。

さらに、リモートワークに最適な環境が整っていることも、バリ島の追い風になっています。チャングーやウブドには、Wi-Fi完備のカフェやコワーキングスペースが点在しており、海外からのノマドワーカーや長期滞在者が増加しました。海の見えるカフェで朝から仕事をし、午後はビーチやスパでリフレッシュ、といったライフスタイルが自然に実現できる環境は、今の時代にマッチしています。

また、観光業者や宿泊施設もコロナ後の変化に柔軟に対応し、短期・中期滞在向けの割引プランやオンライン予約対応を強化しました。こうした適応力の高さは、コロナ禍での信頼を生み、旅行先としての評価をさらに押し上げました。

このように、バリ島はコロナ後の旅行スタイルの変化に敏感に対応し、多様化するニーズを受け止める体制を築いたことが、今の人気につながっているのです。

まとめ

モルディブと並び称されることの多いバリ島ですが、その魅力は単なる「海の美しさ」にとどまりません。宿泊費とサービスのバランス、ビーチの多様性、文化と観光の融合、アクセスの良さ、食と景色の絶妙なマッチング、豊富なアクティビティ、そして多様な旅行者層への柔軟な対応など、バリ島はあらゆる角度から高評価を受けています。

モルディブが持つラグジュアリーで静かな時間を提供する魅力は確かに素晴らしいものですが、バリ島はその自由度と選択肢の広さによって、多くの旅行者に「また来たい」と思わせる力を持っています。そして実際に訪れた人々のリアルな声が、その満足度の高さを物語っています。

コロナ禍を経て、旅のあり方が変わった今、ただ美しいだけではなく、心地よさや柔軟さ、多様な体験を求める人々にとって、バリ島はまさに「今選ばれるべき海の楽園」といえるでしょう。