バリ島サヌールで見つけた、喧騒から解き放たれる大人の隠れ家ビーチと感動のサンセットステイ

サヌールってどんな場所？バリ島南東部にある穏やかなビーチリゾート

バリ島と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、クタやスミニャックといった活気あふれるエリアかもしれません。しかし、島の南東部に位置する「サヌール」は、まるで時間がゆっくりと流れているかのような穏やかで落ち着いた雰囲気が魅力のリゾート地です。観光地としての知名度はそれほど高くないものの、だからこそ喧騒とは無縁の、大人にぴったりの“隠れ家”的な存在として注目されています。

サヌールのビーチは、バリ島の中でも特に波が穏やかで、遠浅の海が広がっており、家族連れやゆったりした時間を過ごしたい人々に支持されています。白砂のビーチ沿いにはココナッツの木が並び、どこかノスタルジックな空気さえ感じさせます。高層ホテルやナイトクラブが乱立するエリアとは違い、自然との調和を大切にした景観が守られており、リゾートとしての派手さこそ控えめですが、その分、静けさと優雅さが際立っています。

また、サヌールはバリ島の中でも文化的な香りが強く残るエリアでもあり、地元の生活に触れることができる場所も点在しています。華やかさやアクティブな観光ではなく、“何もしない贅沢”を味わうには最適の場所です。初めてバリ島を訪れる人にとってはもちろん、すでにクタやウブドを経験したことのあるリピーターにも新しい発見がある、それがサヌールという場所なのです。

クタやスミニャックとは違う、静けさと上質さが魅力の“大人の隠れ家”

バリ島の観光地として知られるクタやスミニャックは、ショッピング、ナイトライフ、ビーチアクティビティが充実しており、活気ある若者や観光客で常ににぎわっています。一方で、サヌールはそうしたにぎやかなエリアとは対照的に、落ち着いた大人のリゾートとして独自の魅力を放っています。

サヌールの最大の特徴は、その「静けさ」です。通りを歩いてもクラクションの音や騒がしい音楽に悩まされることは少なく、むしろ風に揺れるヤシの葉の音や、遠くから聞こえてくる波の音がBGMのように感じられます。夜も治安が良く、落ち着いた雰囲気の中で安心して外出ができるため、一人旅やカップルでの滞在にも適しています。

また、サヌールには大型のチェーンホテルよりも、ブティックホテルやヴィラタイプの宿泊施設が多く、デザインやサービスにこだわった上質な空間を提供しています。広々としたガーデンに囲まれた静かなホテルや、ビーチフロントのヴィラでは、まさに“大人の隠れ家”という表現がぴったりの滞在が楽しめます。スタッフの接客も丁寧で温かく、まるで自分だけの特別な場所にいるかのような心地よさを感じられるでしょう。

さらに、サヌールには観光客向けの派手な施設は少ない反面、地元の人たちと自然なかたちで交流できる環境があります。道端のワルン（食堂）や朝市での買い物、散歩中の挨拶など、何気ない日常の中にバリの素朴な温もりを感じることができるのも、サヌールの大きな魅力の一つです。まさに“観光地の外側”にある、本当のバリ島を知るには絶好の場所だと言えるでしょう。

朝の散歩が最高に気持ちいい！サヌールの海岸沿いプロムナードを歩く

サヌールの朝は、まるでリゾートの理想形とも言える静けさと清々しさに包まれています。中でもおすすめなのが、海岸沿いに続く「サヌール・ビーチ・プロムナード」を散歩することです。このプロムナードは約5kmにわたり海沿いをのんびりと歩ける遊歩道で、早朝から多くの地元住民や旅行者がジョギングやサイクリング、犬の散歩などを楽しんでいます。

特に日の出前後は空が柔らかなオレンジ色に染まり、海面が朝日を反射して幻想的な景色を見せてくれます。バリ島の西海岸では味わえない“東の海の朝日”を正面から見ることができるのは、サヌールならではの贅沢です。静まり返った波打ち際をゆっくりと歩いていると、心が洗われるような感覚に包まれます。

歩道の途中にはビーチベッドが並ぶカフェや、小さな祠、ヨガを楽しむ人たち、魚を捕る漁師の姿などが点在していて、散歩そのものが一つのドラマのように感じられます。日が昇るにつれて空の色も海の表情も変わっていき、同じルートでも時間帯によって全く異なる雰囲気を味わえるのも魅力です。

散歩の途中には、小さなワルンで温かいバリコーヒーをテイクアウトして、砂浜に座って一息つくのもおすすめです。豪華な設備がなくても、自然と寄り添うような時間がこんなにも豊かで心に残るものなのかと、改めて感じさせられるでしょう。日常では味わえない穏やかで贅沢な朝時間が、サヌールではごく自然に流れています。

地元の人が集う朝市「パサール・シンドゥ」でローカル体験

サヌールの魅力は、ただ美しいビーチや静かなリゾート空間にあるだけではありません。地元の生活が息づく場所での体験もまた、心に残る旅の一部です。その代表とも言えるスポットが、サヌールの中心部にある「パサール・シンドゥ（Sindhu Market）」という朝市です。ここは、観光客だけでなく地元住民の生活に密着した市場で、バリ島の日常を肌で感じることができます。

市場が最もにぎわうのは早朝。まだ空が明るくなる前から、屋台や露店が次々と開き、野菜や果物、魚、スパイス、日用品などが所狭しと並びます。日本では見かけないような南国のフルーツや、独特の香りが立ちのぼるスパイス、色とりどりの花々が織りなす光景は、まるで五感すべてが刺激されるような体験です。

そしてこの市場の楽しみは、食べ歩きです。バリ風のお粥「ブブール」や、甘辛いピーナッツソースが香る「サテ」、もち米をバナナの葉で包んだ「クエ・ラピス」など、地元の人々が日常的に食べている朝食メニューをその場で味わうことができます。しかも価格は非常にリーズナブルで、少しずつ色々な味に挑戦してみるのも楽しいでしょう。

現地の人とのやり取りも、旅の魅力のひとつです。言葉が通じなくても笑顔と身振り手振りで通じ合うことができ、温かな交流が生まれます。地元のおばあちゃんが作るスナックを買ってみたり、売り子さんからおすすめの品を教えてもらったりと、ガイドブックには載っていない“リアルなバリ”を感じることができます。

サヌールに滞在するなら、一度は早起きしてこの朝市に足を運んでみてください。派手さはありませんが、その素朴な空気感こそが、心に残るバリ島体験になるはずです。

海の目の前で朝食を楽しむ、人気カフェ「ザ・サンド」おすすめメニュー

サヌールの朝は、ビーチ沿いの静かな風景とともに、ゆったりとした朝食で始まります。散歩や朝市を楽しんだ後には、ぜひ「ザ・サンド（The Sand）」での朝食をおすすめします。ここはサヌールのビーチ沿いにあるカフェで、まさに“海の目の前”というロケーションが魅力の一つです。椰子の木の木陰に設けられたテーブル席からは、透き通るような海と空のコントラストを目の前に望むことができ、朝の柔らかな日差しと潮風が心地よく身体を包みます。

「ザ・サンド」のメニューは、インドネシアのローカルフードから西洋風のブレックファーストまで幅広く揃っています。中でも人気なのが、ふわふわのパンケーキと新鮮なフルーツがたっぷり乗った「トロピカル・パンケーキ」や、ボリューム満点の「サヌール・スペシャルブレックファースト」。エッグベネディクトやグラノーラボウル、アボカドトーストといった健康志向の料理もあり、どれを選んでも間違いありません。

朝食と一緒に味わいたいのが、こだわりのバリコーヒーやフレッシュジュースです。バリ特産のコーヒー豆を使用した濃厚で香り高い一杯は、朝の気分をぐっと高めてくれますし、パイナップルやマンゴーの搾りたてジュースは、南国気分をさらに盛り上げてくれます。

店内の雰囲気も心地よく、ナチュラルな木の家具とビーチに馴染む開放的な空間が、リゾートの非日常感を高めてくれます。スタッフもフレンドリーで、食事中も気持ちよく過ごせるのが嬉しいポイントです。朝の優雅なひとときを演出してくれるこのカフェは、まさにサヌール滞在のハイライトと言えるでしょう。

日中の楽しみ方：レンタサイクルでビーチ沿いをのんびりサイクリング

サヌールでの昼間の過ごし方としておすすめしたいのが、ビーチ沿いのサイクリングです。サヌールの海岸には前述のプロムナードが整備されており、この遊歩道は歩くだけでなく、自転車でのんびりと走るのにも最適な道になっています。南北に長く続くこのルートは、潮風を感じながら心地よく走れるうえ、途中には立ち寄りたくなるようなカフェやショップ、静かな砂浜が点在しており、まるで絵葉書のような景色がずっと続いています。

レンタサイクルはサヌール中に数多くの店があり、宿泊施設の多くでも貸し出しを行っています。1日レンタルで数百円程度とリーズナブルで、軽快なシティバイクやビーチクルーザーなど、自分の好みに合ったタイプを選ぶことができます。自転車に乗って風を切るだけで、バリ島の空気がより一層、身体に染み込んでくるような感覚を味わえるのが魅力です。

走行中に見かけるものもサヌールならではです。ビーチで釣りをしている人や、手作りのカラフルな凧を飛ばしている子どもたち、静かに海を見つめる老夫婦、どれもが旅情をかき立てる存在です。また、サヌールのビーチ沿いには、さまざまなスタイルのホテルやレストランが並んでいますが、それぞれに個性があり、自転車を止めて気になったお店に立ち寄るのも楽しみの一つです。

途中、木陰で読書をしたり、ジューススタンドで一息ついたり、何かを急ぐことのない、ただ「気ままに進む」ことができるのがサヌールのサイクリングの魅力です。観光地らしい賑わいやアクティビティを求める旅もいいですが、こうして自転車でゆったりとビーチと街をめぐる時間こそ、本当の意味で“心を解放する旅”と言えるかもしれません。

喧騒とは無縁の極上時間「メルキュール・サヌール」で過ごす午後のひととき

日中のサイクリングを終えて一息つきたくなったら、ビーチフロントのホテルでのんびりと過ごすのもサヌールらしい贅沢な楽しみ方です。その中でも特におすすめなのが「メルキュール・サヌール（Mercure Resort Sanur）」です。インターナショナルブランドの安心感と、バリ島の伝統的な建築様式が融合したこのホテルは、観光客で混雑するようなリゾートとは一線を画し、落ち着きと自然が調和する極上の空間を提供してくれます。

「メルキュール・サヌール」は広大な敷地を持ち、客室はビーチからほど近いバンガロータイプ。それぞれが緑豊かな庭園の中に点在しており、まるで自然の中に溶け込むような感覚で滞在ができます。客室のテラスで木漏れ日を浴びながら本を読んだり、ハンモックに揺られながらまどろんだりする時間は、都市生活ではなかなか得られない贅沢そのものです。

午後の時間帯には、プールサイドでカクテルを楽しむのもおすすめです。ホテル内のバーでは、南国のフルーツを使った爽やかなドリンクや、バリのクラフトビールなどが用意されており、どれもリゾート気分を高めてくれる一杯です。また、プール周辺はゆったりとしたデザインになっており、静かに過ごすカップルやファミリーが多く、落ち着いた雰囲気が漂っています。

さらに、ホテル内にはスパ施設もあり、伝統的なバリ式マッサージを受けることも可能です。オープンエアのトリートメントルームで受けるマッサージは、波の音や鳥のさえずりをBGMに、深いリラクゼーションをもたらしてくれます。アロマオイルの香りに包まれながら、心と身体をほぐしていく時間は、旅の疲れを癒やすだけでなく、自分自身を取り戻すような穏やかな体験になるでしょう。

「何もしない」という最高の贅沢を叶えてくれる場所、それがメルキュール・サヌールです。午後のひとときをここでゆっくり過ごすことで、旅の質そのものがぐっと高まるはずです。

人が少ない穴場ビーチで、読書と昼寝と波の音に癒される贅沢

サヌールのビーチは他のバリ島の観光地と比べても比較的人が少なく、静かで落ち着いた雰囲気が特徴ですが、中でもとくに人通りが少ない“穴場ビーチ”が存在します。メインストリートから少し離れた場所にある小さな入り江や、ホテルに隣接するプライベートビーチのようなエリアでは、まるで自分だけの時間と空間を得たかのような贅沢なひとときが過ごせます。

こうした静かな場所では、あえて何かをしようとせず、ただ波の音を聞きながら読書をしたり、砂浜にビーチマットを広げて昼寝をしたりするだけで、心が深く癒されていきます。日常では時間に追われがちで、つい“有意義に過ごさなければ”と考えてしまいがちですが、サヌールでは「何もしない時間」がもっとも価値のある体験になります。

お気に入りの本を持って行くのも良いですが、現地のカフェやホテルのロビーで貸し出している洋書や写真集を手に取り、海を背景に静かにページをめくるのもおすすめです。波のリズムと一緒に物語の世界に没入していると、時間の流れそのものが緩やかになっていくのを感じるでしょう。

また、耳に心地よく響く波の音、遠くで鳴く鳥の声、時折肌をなでる潮風といった自然のサウンドが心地よい眠りへと誘います。日陰に腰をおろし、目を閉じるだけで、体も心もどこか深くリセットされていくような感覚に包まれます。

こうした“何も起きない時間”が旅の記憶として残るのが、サヌールの不思議な魅力です。美味しいものを食べることや観光地を巡ることも旅の醍醐味ですが、誰にも邪魔されず、ただ自分のペースで自然と向き合うひとときは、心の奥底に残る大切な記憶となるでしょう。

夕方が本番！サヌールのサンセットはこう楽しむ

バリ島でサンセットといえば、ジンバランやウルワツの崖の上、タナロット寺院など西側の名所が思い浮かびがちですが、実は東海岸にあるサヌールでも感動的な夕暮れが楽しめます。朝日が美しいことで知られるサヌールですが、夕方の時間帯もまた、空がやさしく染まり、街が静かに黄昏れていく特別な瞬間に出会えるのです。

サヌールのサンセットは、燃えるような赤やオレンジではなく、むしろ淡いピンクや紫、金色へとグラデーションするような柔らかい色合いが印象的です。空と海の境界が少しずつ溶け合っていくような風景は、喧騒とは無縁の静かなロマンスを感じさせてくれます。海に浮かぶジュクン（バリの伝統的な小舟）や、ゆったりと戻ってくる漁師たちの姿が、絵画のような景色をよりドラマチックに演出してくれます。

おすすめの過ごし方は、早めにビーチ沿いのカフェやレストランのテラス席を確保して、ドリンクを片手にゆっくりと空の移ろいを眺めること。日中の熱気が落ち着いて、潮風が心地よく感じられる時間帯は、サヌールがもっとも“サヌールらしく”なる瞬間でもあります。沈む夕日が遠くの山の稜線を照らし、空が最後の光を放つその瞬間、旅人の誰もが自然と息を飲んでしまうほどの美しさに魅了されることでしょう。

また、夕方には地元の人たちも浜辺に集まり、散歩や瞑想を楽しんでいる姿が見られます。観光地化されすぎていないこのエリアならではの、自然と人が共に過ごす落ち着いた時間に、心が温かくなるのを感じるはずです。サンセットを味わうというより、空と海と風と時間のすべてに“包まれる”感覚をぜひ体験してみてください。

サンセットスポットとして人気の「カユマニス・シービュー」で感動の夕景を

サヌールで感動的なサンセットを眺めたいなら、「カユマニス・シービュー（Kayumanis Seaside Sanur）」は見逃せないスポットのひとつです。サヌールのビーチフロントに位置するこのレストランは、静かな海を一望できる絶好のロケーションにあり、海と空の色がゆっくりと変化していくサンセットタイムに、まさにうってつけの場所です。特に人気のテラス席は、海風を肌に感じながら空のグラデーションを楽しめるため、夕暮れ前には多くの旅行者が席を求めて訪れます。

カユマニス・シービューの魅力はロケーションだけではありません。料理のクオリティも非常に高く、地元の食材を活かしたインドネシア料理から、創作アジアンフュージョン、西洋料理まで幅広く提供しています。特におすすめなのは、新鮮なシーフードを使ったグリル料理。潮風の中で味わう魚介類の香ばしい香りと味は、旅の思い出を一層印象的にしてくれるでしょう。

また、サンセット時に合わせて提供されるカクテルも秀逸です。フルーツをふんだんに使ったサンセットカラーのドリンクは、見た目にも鮮やかで、写真映えはもちろん、トロピカルな味わいが夕暮れのムードをさらに盛り上げてくれます。アルコールが苦手な人にも、ノンアルコールのモクテルや新鮮なジュースが用意されているので、誰もが心地よい時間を楽しめるはずです。

レストランのスタッフも非常にホスピタリティに優れており、落ち着いたサービスが印象的です。静かに、でも確実に気を配ってくれる接客が、特別な時間をより上質なものにしてくれます。日が沈んだ後も空はしばらく美しい余韻を残し、ロウソクの明かりとともに静かに夜へと移り変わっていきます。その静寂の中で、旅の一日を振り返る時間は、きっとあなたの心に深く刻まれることでしょう。

夕食は海風を感じながら、「マッシモ」で味わう絶品イタリアン

サヌールの夜を締めくくるディナーには、地元の人々やリピーターの旅行者たちから絶大な人気を誇るイタリアンレストラン「マッシモ（Massimo）」がぴったりです。このレストランはサヌールのメインストリート、タンブリンガン通り沿いにありながら、緑に囲まれた落ち着いた空間で、本格的なイタリア料理を楽しむことができます。屋外席では海風を感じながら食事ができ、南国の夜とイタリアの味が見事に調和する独特のダイニング体験が味わえます。

店名の通り、オーナーシェフのマッシモ氏はイタリア出身で、伝統的なレシピをベースに、地元の新鮮な食材を活かした料理を提供しています。看板メニューである手打ちパスタは、もちもちとした食感とソースの奥深い味わいが特徴で、特に「タリアテッレ・アッラ・ボロネーゼ」や「リングイネ・アッレ・ヴォンゴレ」は人気の一皿です。ピザは薪窯で焼き上げられ、外はパリッと、中はふわっとした食感が絶妙で、チーズの香ばしさが食欲をそそります。

また、食後のデザートにも注目です。イタリアンジェラートは「マッシモ」の名物で、店の前にはジェラート専門のカウンターがあり、食事後だけでなく散歩ついでに立ち寄る人も絶えません。種類豊富で、バリらしいマンゴーやココナッツ、ドラゴンフルーツといった南国フレーバーと、ピスタチオやティラミスなど定番の味が揃っており、どれを選んでも外れがない美味しさです。

ロマンチックな雰囲気の中で食事を楽しみたいカップルから、家族連れ、グループ旅行まで、誰もが満足できる懐の深さが「マッシモ」の魅力。週末の夜は特に混み合うため、予約をしておくのがベターです。サヌールの静かな夜に、海風と共に本格イタリアンを味わう時間は、旅の締めくくりとしてこれ以上ない満足感を与えてくれるでしょう。

サヌール滞在をもっと快適にする、おすすめホテル3選

サヌールでの滞在をより快適に、そして印象深いものにするためには、宿泊先の選択がとても重要です。サヌールには大型のリゾートホテルからアットホームなブティックホテル、コストパフォーマンスに優れたゲストハウスまで、多種多様な宿泊施設があります。その中でも特におすすめしたいのが、「ハイアット リージェンシー バリ」「マヤ サヌール リゾート＆スパ」「パラウィナタ バリ ホテル」の3つです。それぞれ異なる魅力を持ち、旅のスタイルや予算に応じて選ぶことができます。

まず紹介したいのが「ハイアット リージェンシー バリ」。サヌールでも屈指の歴史を誇る老舗リゾートで、2019年に大規模なリノベーションを経て、モダンさと伝統の融合が際立つ空間へと生まれ変わりました。広大な敷地にトロピカルガーデンが広がり、海に面したプールやスパ施設も充実。ファミリー層にも人気がありますが、敷地が広いため、静かに過ごしたい大人の旅行者にもぴったりです。部屋はウッド調のナチュラルなデザインで、バリ島らしさを感じながらも快適に滞在できます。

次に紹介する「マヤ サヌール リゾート＆スパ」は、スタイリッシュで洗練された雰囲気を求める人におすすめのホテルです。ビーチフロントに位置し、インフィニティプールから望む海の景色は息をのむ美しさ。全体的に現代的なデザインながら、バリの伝統美も織り込まれており、モダンさとバリの文化が絶妙に融合した空間が広がっています。カップルやハネムーナーに特に人気で、ラグジュアリーな気分を味わいたい人にぴったりの宿です。

最後に紹介するのが「パラウィナタ バリ ホテル」。このホテルはコストパフォーマンスに優れており、清潔感がありながらもアットホームな雰囲気が魅力です。ローカルな雰囲気に包まれた静かなエリアに位置し、ビーチやレストラン街にも徒歩圏内。長期滞在にも適しており、初めてのサヌール旅行はもちろん、何度も訪れたいというリピーターにも根強い支持を受けています。

旅の目的や過ごし方に応じて宿泊先を選べば、サヌール滞在はもっと豊かに、もっと自分らしいものになります。どのホテルにも共通して言えるのは、ホスピタリティの高さと、リラックスできる空気感。サヌールの持つ癒しの力を、宿でもぜひ感じてみてください。

観光客が少ない今がチャンス！サヌールで味わう“何もしない贅沢”のススメ

コロナ禍以降、観光の流れが変わり、以前のような大量の観光客でにぎわう場所は少しずつ姿を変えています。バリ島も例外ではなく、観光地の一部はかつての喧騒を取り戻しつつある一方で、サヌールのような“静かさを大切にするリゾート”は、以前にも増してその価値が見直されるようになってきました。現在のサヌールは、ほどよい人の流れと変わらない自然の美しさが共存し、まさに“何もしない贅沢”を心ゆくまで味わえるベストなタイミングです。

一般的に「何かをしないと時間を無駄にしている」と感じがちな現代人にとって、サヌールの過ごし方は逆説的ともいえる価値を提供してくれます。早朝の海沿いの散歩、昼間の読書、午後のうたた寝、夕暮れの空を眺めるだけの時間。これらは派手なアクティビティではないものの、心を浄化し、自分自身と深く向き合える非常に豊かな時間です。

旅行中はどうしても「有名な観光地を巡りたい」「たくさん写真を撮りたい」「SNSで発信したい」と考えてしまいがちですが、サヌールではそういった“外に向かう旅”ではなく、“内に向かう旅”が可能になります。情報やタスクから距離を置き、ゆったりと呼吸するだけで、心と身体がリセットされていく感覚は、一度体験すると病みつきになるほど。

また、サヌールは観光地化されすぎていない分、物価も比較的安定しており、レストランやカフェ、マッサージなども手頃な価格で高品質なサービスを受けられます。ローカルの暮らしに自然と溶け込める環境があるため、“旅行者”というより“住民のような感覚”で滞在できるのも魅力の一つです。

このタイミングでサヌールを訪れることは、ただの観光ではなく、“心を癒す時間投資”のようなものかもしれません。バリ島のもう一つの顔である、静かで優しいサヌールで、あなた自身のペースを取り戻してみませんか？

まとめ

サヌールは、バリ島における「静けさ」と「癒し」を象徴するような存在です。クタやスミニャックのような派手さや観光スポットとしての有名さはないものの、その分、自然との調和、地元の人々の暮らし、そしてゆったりと流れる時間が旅人を包み込みます。朝は海沿いのプロムナードを散歩し、パサール・シンドゥの市場でローカルの温かさに触れ、ビーチ沿いのカフェで朝食を楽しむ。日中はレンタサイクルで風を感じながら町を巡り、午後は静かなホテルでのんびり過ごす。そして夕方には波の音をBGMに感動的なサンセットを眺め、夜は名店「マッシモ」で絶品イタリアンに舌鼓を打つ――そのすべてが、観光地での“体験”ではなく、自分自身と向き合う“時間”に変わっていきます。

ご紹介したメルキュール・サヌール、ハイアット、マヤといった宿泊先は、それぞれに個性があり、サヌールという街の多様性を象徴しています。どのホテルもサヌールの穏やかな空気感を反映したつくりであり、長く滞在するほどにその居心地の良さが染み込んでくるでしょう。

そして何より、サヌールの魅力は「何もしないことが許される」という点にあります。観光地としての義務感から解放され、ただそこにいるだけでいい。予定を詰め込まず、ただ潮風に吹かれながら本を読み、波の音を聞き、夕焼けを見つめる。そんなシンプルな行為が、心に深く残る旅となるのです。

観光客の数がまだ完全に戻っていない今だからこそ、サヌールの本質的な美しさや静けさを堪能するチャンスがあります。バリ島のもう一つの魅力、“喧騒から解き放たれる旅”をぜひ体感してください。きっとそこには、想像以上に豊かな時間が待っているはずです。