目次(もくじ)
蒸し暑い東京を離れて、北海道・富良野へ避暑の旅に出発
7月下旬、東京では最高気温が35度を超える日が続き、街を歩けば汗が滝のように流れるような猛暑。そんなとき、「涼しい場所でのんびりしたい」と思い立ち、避暑地として名高い北海道・富良野への1泊2日旅行を計画しました。富良野といえば、夏のラベンダーが有名で、全国から観光客が訪れる人気スポットですが、それ以上に注目したのはその「涼しさ」。実際、気象データを調べると、東京と富良野の7月の平均気温はおよそ10度近く差があり、朝晩は長袖が必要な日もあるほどです。
移動手段は新千歳空港までの飛行機と、そこからはJRとレンタカーを組み合わせたルート。都内からは移動にやや時間がかかりますが、そのぶん非日常感が強く、旅の気分を高めてくれます。機内から見る北海道の大地は緑が広がり、すでに東京とは異なる空気を感じました。空港に降り立った瞬間から、あの重たい湿気がないことに驚かされます。
今回はこの富良野の魅力を、1泊2日の旅行というコンパクトなスケジュールの中でどれだけ満喫できるかを中心に紹介していきます。避暑地としての富良野がどれほど快適なのか、そして自然・食・景色の豊かさが心と体にどれほどの癒しを与えてくれるのか。実体験を交えながら、リアルな旅の記録をお届けします。
到着早々に感じる空気の違い――富良野の涼しさは別世界
新千歳空港から富良野までは、特急電車で約2時間半。車窓から見えるのどかな田園風景や山々に心が和らぎながら、目的地へと向かいます。富良野駅に到着し、改札を出た瞬間に感じたのは、体に触れる風のやわらかさと、サラリとした空気でした。気温は22度前後。東京ではすでに汗ばむ時間帯でしたが、富良野では半袖一枚でも涼しく快適に過ごせる気候です。
空気の温度だけではなく、湿度の違いも大きく影響しています。東京の夏は湿気が多く、じっとしていても汗がにじむことが多いのに対し、富良野はカラッとしていて、日差しの下にいても不快感が少ないのです。そのため、屋外を歩くこと自体が心地よく感じられ、観光意欲も自然と湧いてきます。
また、駅周辺の空気が澄んでいるのも印象的でした。鼻から吸い込むたびに、自然の香りや土のにおいがほんのりと感じられ、まるで森林浴をしているような感覚に包まれます。富良野の気候と空気が、これほどまでに身体に優しいものだとは、正直ここに来るまで想像していませんでした。
この「空気の違い」を感じられただけでも、東京を離れた甲斐があったと実感します。夏の疲れやストレスが、ゆっくりとほどけていくような感覚に身をゆだねながら、いよいよラベンダー畑へと足を進めていきます。
富良野のラベンダー畑が見頃！一面紫に染まる風景に感動
富良野の代名詞とも言える「ラベンダー畑」。今回は、観光地としても有名な「ファーム富田」を訪れました。富良野駅からは車で約20分。道中の風景は、徐々に色づく丘や畑が広がっていて、それだけでも旅情が高まります。そして、到着すると視界いっぱいに広がるラベンダーの紫。まるで絵本の中に入り込んだような景色に、思わずため息がこぼれました。
ラベンダーの香りが風に乗って漂ってくるのも、五感を刺激する体験の一つ。歩いているだけでリラックス効果を感じるのは、植物の持つ自然な力なのでしょうか。ファーム富田にはラベンダーだけでなく、マリーゴールドやサルビアなどの彩り豊かな花々も咲いており、園内を散策するだけで時間があっという間に過ぎてしまいます。
また、展望台からは花畑を一望でき、背景には大雪山系の山々が連なり、富良野ならではの雄大な風景が広がります。撮影スポットも豊富で、どこでシャッターを切っても絵になります。実際、SNSでも多くの人がこの場所をシェアしており、その人気ぶりがうかがえます。
園内にはラベンダーを使った商品も充実していて、特に人気なのはラベンダーソフトクリーム。ほんのりと花の香りが口の中に広がり、暑さを忘れるほどの爽やかさでした。他にも、石けんやサシェ、エッセンシャルオイルなど、持ち帰りたくなるアイテムがたくさん並んでおり、旅行の記念やお土産にもぴったりです。
見頃の時期に訪れたことで、ラベンダーの本来の魅力を余すところなく堪能することができました。この場所にしかない風景と香りに包まれながら、富良野の夏を心から感じた瞬間でした。
ラベンダーだけじゃない！地元グルメで味わう夏の涼
富良野といえばラベンダーが有名ですが、グルメの魅力も負けていません。特に夏の富良野で注目したいのが、地元食材を使った涼しげなメニューの数々です。観光地から少し離れた場所にある「富良野チーズ工房」では、搾りたての牛乳を使った濃厚なソフトクリームや、フレッシュチーズを使った冷製料理が人気。暑さに疲れた体にも優しい味わいです。
さらに、富良野オムカレーは外せません。市内の複数のレストランで提供されているこのご当地グルメは、ふわとろのオムレツに地元野菜をたっぷり使ったルーがかけられ、夏野菜の甘みとカレーのスパイスが絶妙に絡みます。どの店もオリジナルの味を競っていて、食べ歩きの楽しみもあります。
また、夏にぴったりの軽食としては、富良野メロンを贅沢に使ったスイーツが各所で販売されています。メロンパフェやジュース、カットメロンはどれも糖度が高く、冷たくてジューシー。ラベンダー畑を歩いたあとに食べると、体の芯から涼しくなるような感覚を味わえます。
富良野のグルメの特徴は、自然とのつながりが強いこと。どの食材も新鮮で、素材の味を大切にしているのが伝わってきます。食事を通しても、この土地の風土や人の温かさを感じることができ、旅の印象をさらに深めてくれました。避暑だけでなく「美味しさ」もこの旅の大きな魅力のひとつです。
続てくださいけてくださいてくださいけてくださいてください
美瑛の青い池へ寄り道――幻想的なブルーが癒しをくれる
富良野から車で約40分ほどの距離にある美瑛町。今回の旅では、ぜひ立ち寄っておきたい場所として「青い池」をルートに組み込みました。この池は、十勝岳の噴火災害を防ぐための工事によって偶然できた人工池ですが、コバルトブルーに輝く幻想的な水面が話題となり、今では国内外から観光客が訪れる名所となっています。
実際に現地を訪れてみると、その美しさに言葉を失いました。白樺のような立ち枯れた木々が水面に立ち並び、池の青さと相まってまるで異世界のような光景が広がっています。光の当たり方や時間帯によって微妙に色合いが変わり、見るたびに違った表情を見せてくれるのも魅力です。この日はちょうど午後のやわらかい日差しが差し込み、水面が透明感のある青に輝いていました。
池のまわりは遊歩道が整備されており、森林浴を楽しみながらゆっくりと歩くことができます。聞こえてくるのは鳥のさえずりと、風が木々を揺らす音のみ。観光地ではありますが、混雑もそれほどなく、静かな時間を過ごせました。写真映えするスポットとしても知られているので、カメラ片手に散策する人の姿も多く見られました。
また、近くには「白金温泉」もあり、青い池とあわせて訪れる人も多いようです。温泉に立ち寄ることで、さらに体の疲れを癒すことができ、避暑旅行としての満足度も高まります。自然が生み出した奇跡のようなこの池は、富良野滞在における思い出の中でも特に印象深い場所となりました。
涼しい朝に楽しむサイクリングと、ラベンダー香る朝食体験
富良野で迎えた朝は、驚くほど爽やかでした。東京の朝は蒸し暑く、すでにエアコンがなければ汗をかくような気温ですが、ここ富良野では20度を下回るほどの涼しさ。軽い羽織がちょうどいいくらいの気温で、澄んだ空気が心地よく肺に入り、まるで自然と一体になったような感覚に包まれます。
この静かな朝にぜひ体験してほしいのが、サイクリングです。宿泊した宿ではレンタサイクルを貸し出しており、早朝の田園地帯やラベンダー畑を走ることができます。車が少ない時間帯ということもあり、安全で気持ちよく走れます。軽い運動をしながら風を感じ、移ろう風景を目で楽しむという贅沢な時間。朝の澄んだ空気と、土や草の香りに癒されながら、のんびりとペダルをこぎました。
サイクリングのあとは、地元のカフェで朝食をとりました。ラベンダー農園に併設された小さなカフェでは、ラベンダーを練り込んだパンや、ハーブティーなど、ここでしか味わえない香り高いメニューが提供されています。特に印象に残ったのは、自家製ラベンダージャムを添えた焼きたてのクロワッサン。バターの香ばしさとラベンダーのやわらかな香りが絶妙にマッチし、朝のひとときが一層贅沢なものになりました。
観光地としての華やかさとはまた違う、こうした「静かな豊かさ」こそが、富良野の本当の魅力なのかもしれません。忙しい日常から離れ、自然のリズムに身をゆだねる時間。それがこの朝のサイクリングと朝食体験を通じて、深く心に染み込んできました。
東京と比べて何度も違う？富良野の気温と快適な過ごし方
避暑地として富良野を選んだ最大の理由は「気温の差」にあります。実際に滞在してみると、予想以上の快適さに驚かされました。東京では朝から30度を超える日も珍しくなく、昼間の気温は35度以上になることもあります。湿気も相まって、外に出るだけで体力を奪われるような暑さが
一方、富良野の7月下旬の平均気温はおよそ22〜25度前後。昼間でも日陰に入ればひんやりとした風が吹き、汗ばむこともほとんどありません。特に朝晩の冷え込みはしっかりと感じられ、軽めの羽織がないと肌寒く感じるほどです。この気温差こそが、富良野の「避暑地」としての大きな魅力です。
また、気温だけでなく「風の質」にも違いを感じました。東京の風は温風のように感じることもありますが、富良野では風そのものが冷たく、肌に触れるだけで涼しく感じます。歩いていると自然に汗が引いていくような感覚があり、行動する意欲を高めてくれます。
快適に過ごすための工夫も現地にはたくさんあります。例えば、観光施設やカフェではエアコンを使わず、自然の風を取り入れる設計が多く見られました。木陰にベンチが置かれていたり、ガーデンカフェではハーブの香りが漂う風通しの良いテラス席が人気だったりと、「涼しさ」を五感で味わうことができます。
さらに、夜には温泉でゆっくりと体を温めるのもおすすめ。昼間の涼しさとはまた違う、心地よいぬくもりが体を包み、ぐっすりと眠れること間違いなしです。暑さによる疲れや睡眠不足に悩まされていた東京での生活とは正反対の、深く穏やかな休息を得ることができました。
富良野の気温は単なる「数字」ではなく、そこで過ごす体験全体を形づくる大切な要素です。この地の涼しさがもたらす心と体への優しさは、実際に足を運んだからこそ実感できるものだと確信しました。
旅の締めくくりに訪れたカフェと、富良野の地ビールの魅力
富良野での1泊2日の旅も、いよいよ終盤。最後に立ち寄ったのは、地元の素材をふんだんに使った料理と飲み物が楽しめるカフェ「ふらのマルシェ」の中にある一軒のクラフトビールバーでした。ここでは、富良野産のホップを使った地ビールが味わえるとあって、観光客だけでなく地元の人たちにも人気のスポットです。
夕方の涼しい風が吹くテラス席に座り、地ビール「ふらのドラフト」を注文。口に含むと、苦味の中に感じるほのかな香ばしさと、ほんのりとしたフルーティーさが絶妙で、これが旅の最後の一杯として完璧にふさわしい味わいでした。東京の蒸し暑さでは味わえないような「涼しさと美味しさの融合」に、思わず頬が緩みました。
ビールと一緒に楽しんだのは、地元産のアスパラガスとチーズを使った軽食プレート。どれも素材の味が生きていて、シンプルなのに驚くほど深い味わいがあります。観光地の飲食というよりは、まるで家庭料理を丁寧にアレンジしたような、心のこもった料理でした。
カフェの店員さんもとてもフレンドリーで、旅の話を少ししただけで「ぜひまたラベンダーの季節に来てくださいね」と優しく声をかけてくれました。その言葉に、富良野の人々のあたたかさを感じると同時に、この土地が持つ「癒しの力」は気候や風景だけではなく、人の優しさにも支えられているのだと実感しました。
夜が近づき、空がオレンジから群青色に変わっていく様子を眺めながら、1泊2日の旅を振り返るひととき。短い時間の中にも、たくさんの感動と心地よさが詰まっていて、「来てよかった」と心から思える旅でした。
1泊2日でも大満足！富良野避暑旅行で心と体が軽くなる理由
今回の富良野旅行はわずか1泊2日という短いスケジュールでしたが、それでも充分すぎるほど満足感を得ることができました。その理由のひとつは、何といっても時間の流れの“質”が東京とはまったく違っていたからです。東京では、常に人混みや騒音、猛暑と戦いながらせかせかと過ごしている日々。しかし富良野では、静けさと涼しさの中で、心のペースを自然に落とすことができました。
朝の涼しいサイクリングから始まり、ラベンダー畑の美しい景色、空気の澄んだ美瑛の青い池、そして自然の恵みをたっぷり使った地元グルメやクラフトビールまで、どれもが「静かに心を満たしてくれる」体験ばかり。どこを歩いても、空が広くて空気が軽く、体が自然と深呼吸を求めるような場所ばかりでした。
また、旅行全体を通して感じたのは「五感すべてが癒される旅」だったということ。目にはラベンダーや美瑛の絶景、耳には風の音や鳥のさえずり、鼻には草花や土の香り、口には富良野ならではの食材、そして肌にはひんやりとした優しい空気。それぞれの感覚がバラバラに刺激されるのではなく、穏やかに連携しながら自分の中に「休息」という形で染み込んでいくような、そんな旅でした。
1泊2日という短さにも関わらず、移動の疲れは感じず、むしろ帰る頃には身体が軽くなったような感覚すら覚えました。それは、気温の快適さや自然の美しさだけでなく、富良野という土地のもつ優しさが、しっかりと心と体に作用した結果だと思います。
長期休暇が取れなくても、ちょっとした休みに訪れるだけで、これほどのリフレッシュができる場所はなかなかありません。むしろ短期間だからこそ、限られた時間を濃密に過ごすことができ、「また来よう」と思わせてくれるのかもしれません。旅の終わりに「もう一日いられたらな」と思った瞬間、それはその旅が成功だった証拠だと、改めて感じました。
まとめ
今回の富良野への1泊2日の避暑旅行は、蒸し暑い東京を離れ、涼しさと静けさに満ちた自然の中で心と体を癒す贅沢な時間となりました。ラベンダー畑の絶景、美瑛の青い池、地元ならではのグルメ、そして人のあたたかさ。すべてがひとつの物語のように旅を彩ってくれました。
気温や湿度の違いだけでなく、その土地がもつ空気や風、時間の流れ方、すべてが都会とはまるで別世界であり、「ただそこにいるだけで心が整う」という感覚を何度も味わいました。短い旅でも、しっかりとした計画と「五感で楽しむ意識」があれば、これほどまでに深く記憶に残る体験ができるのだと実感しました。
今後も、都会の喧騒から離れたいと感じたときには、また富良野のような静かで涼しい土地を訪れて、心のデトックスをしたいと思います。日常に疲れたすべての人に、ぜひ一度訪れてほしい場所です。
