目次(もくじ)
- 1 松本駅に到着!旅の始まりはアクセス抜群の玄関口から
- 2 黒塗りの国宝・松本城で歴史ロマンに浸る圧巻のひととき
- 3 城下町をぶらり散策、中町通りと縄手通りで見つけるレトロな魅力
- 4 地元食材を堪能!信州そばと郷土料理で味わう松本の味覚
- 5 四柱神社と湧水スポット、心落ち着く癒しのパワースポット巡り
- 6 美ヶ原高原へ足を伸ばして、絶景とアートの世界に包まれる午後
- 7 城下町に泊まる贅沢、風情あふれる宿で味わう松本の夜
- 8 2日目は朝から贅沢に、地元カフェで楽しむモーニングと散策
- 9 旧開智学校で学ぶ明治の面影と教育の歴史
- 10 最後はお土産探し!松本ならではの伝統工芸と人気スイーツを厳選
- 11 帰路につく前に、松本市美術館で草間彌生の世界に触れるアート体験
- 12 まとめ
松本駅に到着!旅の始まりはアクセス抜群の玄関口から
松本への旅は、長野県の玄関口ともいえる松本駅から始まります。新宿からは特急あずさで約2時間30分、名古屋からは中央本線を利用して約3時間と、首都圏や中京圏からのアクセスも良好です。松本駅に到着すると、まず目に飛び込んでくるのは、美しく整備された駅前ロータリーと、北アルプスの山並みを望む雄大な景観です。標高約600メートルに位置するこの町は、澄んだ空気と爽やかな気候が旅人を迎え入れてくれます。
駅構内には観光案内所が設けられており、松本城や周辺の見どころへのマップ、イベント情報などを入手することができます。スタッフも親切で、土地勘のない観光客でも安心して旅をスタートできます。駅ビル「MIDORI松本」には、地元の特産品を扱う土産店やレストランも揃っており、旅の最初のグルメ体験としてもおすすめです。
また、駅周辺にはバスやレンタサイクルの拠点も整備されており、徒歩だけでは回りきれないエリアを効率よく巡る手段も充実しています。特に、城下町を自転車で走ると、風を感じながらの散策ができて格別です。レンタル料金もリーズナブルで、1日使っても1000円前後と手頃なのも嬉しいポイント。
松本駅は単なる交通の拠点にとどまらず、旅人に対してこの町の魅力を体感させる入口のような存在です。ここで少しゆっくりと時間を取り、旅の計画を練り直したり、近くのカフェで一息つくことで、この後に続く濃密な体験に向けて、心と体を整えることができるでしょう。
黒塗りの国宝・松本城で歴史ロマンに浸る圧巻のひととき
松本の旅において、絶対に外せないスポットが国宝・松本城です。黒い下見板張りの外観から「烏城(からすじょう)」とも呼ばれるこの城は、現存する五重六階の天守を有する日本でも貴重な存在です。築城は戦国時代末期とされ、石川数正・康長親子によって1593年頃に完成しました。その美しさと威厳ある佇まいは、四季を問わず観光客の心を惹きつけます。
堀に囲まれた城の周辺には白鳥が泳ぎ、晴れた日には水面に城が映り込む光景が広がります。このコントラストはまさに絶景。春には桜、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪化粧と、四季折々の表情を見せてくれるため、訪れるたびに新たな感動があります。
天守内部に入ると、急な階段と太い梁が当時のまま残されており、戦国時代の息吹を肌で感じることができます。内部では火縄銃や甲冑、古文書などが展示されており、戦乱の時代を生きた武将たちの生活や戦略が垣間見えます。特に、最上階からの眺望は格別で、松本の城下町と北アルプスの山並みを一望できるため、多くの来訪者が写真を撮って思い出に残します。
また、松本城の魅力は外観や歴史だけではありません。夜にはライトアップされ、昼とはまた違った幻想的な姿を見せます。地元のイベントや祭りの会場になることも多く、地域に深く根ざした存在として、松本市民からも大切にされています。
日本の城を巡る中で、これほどまでに保存状態が良く、美しさと迫力を併せ持つ城はなかなかありません。松本城は、歴史に興味のある方だけでなく、写真好きや散策を楽しみたい人にも強くおすすめできるスポットです。
城下町をぶらり散策、中町通りと縄手通りで見つけるレトロな魅力
松本城の見学を終えたら、その足で城下町の風情を感じられる中町通りと縄手通りを歩いてみましょう。これらの通りは松本市の中心部に位置しており、戦災を免れた古い町並みが今なお色濃く残されています。観光地でありながら、どこか落ち着いた空気が流れ、訪れる人々をゆったりとした時間へと誘います。
中町通りは、白と黒のなまこ壁が特徴的な建物が並ぶ通りで、江戸時代には商人の町として栄えました。現在も酒蔵や味噌蔵、手作り工芸品を扱う店舗が並び、当時の趣を色濃く残しています。通りを歩いていると、陶器店やガラス工房、クラフト雑貨を扱うセレクトショップなど、個性的なお店が軒を連ねており、ふらりと立ち寄るだけでも楽しい発見がたくさんあります。
また、カフェや喫茶店も多く、特に古民家をリノベーションした店舗は人気です。木の温もりを感じる空間で、地元焙煎のコーヒーや季節のスイーツを味わえば、歩き疲れた身体も癒されます。晴れた日には、通り沿いのベンチに座って人の流れを眺めるのも、旅ならではの贅沢な時間です。
一方の縄手通りは、かつて女鳥羽川沿いの堤防だった場所を整備した通りで、カエルの置物が随所に並ぶユニークな観光スポットとして知られています。この「カエル大明神」や「カエルのまち」としての演出は、子どもにも人気で、ちょっとした撮影スポットとしてもおすすめです。
この通りには、昔ながらの玩具店や駄菓子屋、甘味処、さらには骨董品を扱う店まであり、まるで昭和にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。週末には地元のアーティストが路上でパフォーマンスを行うこともあり、活気に満ちた雰囲気も楽しめます。
中町通りと縄手通りをのんびりと歩いていると、ただ見るだけではない「松本の町に溶け込む」感覚が生まれます。歴史と現代、懐かしさと新しさが融合したこのエリアは、旅の中で特に印象に残るひとときとなるでしょう。
地元食材を堪能!信州そばと郷土料理で味わう松本の味覚
松本を訪れたら、絶対に味わっておきたいのが信州そばをはじめとする郷土料理の数々です。松本は信州の中心に位置しており、清らかな水と寒暖差のある気候が美味しい食材を育てる条件として揃っています。そのため、地元産のそば粉を使った風味豊かな蕎麦や、山の恵みを活かした料理が市内のあちこちで提供されています。
信州そばは、つなぎをほとんど使わない「十割そば」が特に有名で、そばの風味が濃く、香り高いのが特徴です。松本城近くの老舗そば店では、注文を受けてからそばを打つというこだわりの店もあり、打ち立て・茹でたてのそばの美味しさは格別です。ざるそばで冷たくいただくのはもちろん、温かいかけそばにしてもその風味はしっかりと感じられます。
また、松本では「山賊焼き」という郷土料理も忘れてはなりません。これは、鶏のもも肉にニンニクや生姜で下味をつけてから片栗粉をまぶし、油でカリッと揚げたもの。見た目は唐揚げに似ていますが、より大きくてジューシーな食べ応えがあり、ビールとの相性も抜群です。市内の多くの居酒屋や定食屋で味わうことができ、観光客にも地元民にも愛されるソウルフードです。
さらに、野沢菜やおやきといった素朴な郷土料理も旅の食体験を豊かにしてくれます。野沢菜は単なる漬物としてだけでなく、天ぷらや炒め物にアレンジされた料理も多く、おやきは季節の野菜や山菜を具にしたものが特に人気。もちもちとした皮と、噛むたびに広がる素材の旨味が絶妙で、軽食やお土産にもぴったりです。
松本はまた、地酒の名産地でもあります。周辺の酒蔵では北アルプスの湧水を使った日本酒造りが行われており、食事に合わせて地酒を楽しむのも旅の醍醐味。甘口から辛口まで幅広く、そばや山賊焼きと共に味わえば、より一層松本の味を堪能することができます。
美味しいものを味わうことは、その土地の風土や文化を理解する大切な手段でもあります。松本では、歴史ある城下町の空気と共に、丁寧に受け継がれてきた味がしっかりと息づいています。どの店に入っても、素材を大切にする心が感じられる温かい食体験が待っているはずです。
四柱神社と湧水スポット、心落ち着く癒しのパワースポット巡り
松本の町歩きの合間にぜひ立ち寄りたいのが、城下町の中心部に位置する「四柱神社(よはしらじんじゃ)」です。この神社は「願い事がすべて叶う神社」として知られ、多くの参拝客が訪れる松本屈指のパワースポットとなっています。四柱神社の「四柱」とは、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高皇産霊神(たかみむすびのかみ)、神皇産霊神(かみむすびのかみ)、天照大神(あまてらすおおみかみ)という、日本神話における四柱の神々のこと。それぞれ創造・生成の力を象徴する神々であり、すべての願いにご利益があると信じられています。
境内は静謐な空気に包まれており、街中の喧騒とは一線を画す、凛とした雰囲気が漂います。参道の両側には季節の花々が咲き、鳥のさえずりが心を和ませてくれるでしょう。手水舎には北アルプスからの湧水が引かれており、清めの水としても非常に澄んでいて冷たく、手を差し入れた瞬間に自然の力を感じることができます。訪れる人々は静かに手を合わせ、心の内にある願いをそっと神に託していきます。
四柱神社の魅力はその神聖さだけではありません。境内を抜けると、女鳥羽川沿いの美しい遊歩道へと繋がっており、この一帯にはいくつかの湧水スポットも点在しています。松本市は水の街としても知られており、いたるところに湧水が湧き出しているのが特徴です。「源智の井戸」や「まつもと城下町湧水群」など、市内の至る所でその清らかな水に触れることができます。
特に「源智の井戸」は市指定文化財にもなっており、今も地元住民が水を汲みに来るなど、生活の中に根付いた存在です。井戸の周囲にはベンチが設けられており、旅行者もペットボトルを持参すればその場で美味しい湧水を汲んで味わうことができます。水はほんのりと甘みを感じさせ、まさに自然の恵みそのもの。
こうした神社と湧水のスポットを巡る時間は、観光の喧騒とは違った静かな癒しを与えてくれます。自然と人の営みが調和した松本の町には、こうした小さな感動がたくさん隠れており、それらを一つずつ見つけていくことで、旅の奥行きがどんどん深まっていくのです。
美ヶ原高原へ足を伸ばして、絶景とアートの世界に包まれる午後
松本市街地から車で約1時間、標高約2000メートルの高さに広がる「美ヶ原高原(うつくしがはらこうげん)」は、旅の2日目の午後にぴったりの観光スポットです。四方を山々に囲まれたこの高原は、晴れた日には北アルプス、中央アルプス、南アルプスを一望できる360度の大パノラマが広がり、その名の通り「美しい原」の風景に息を呑むこと間違いなしです。
高原一帯は「美ヶ原高原美術館」としても有名で、広大な敷地に350点以上の現代彫刻作品が野外展示されています。草原の中に点在する巨大なアートは、訪れる人の感性を刺激し、芸術と自然が融合した非日常的な空間を演出します。作品には国内外の著名なアーティストによるものが多く、見応えは抜群。展示エリアをぐるりと巡るだけで数時間はかかるため、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。
高原の気候は市街地よりも5〜10度ほど涼しく、夏場でも心地よい風が吹き抜けます。春から秋にかけては高山植物も見頃を迎え、鮮やかな花々が足元を彩ります。特に6月〜7月にかけて咲くレンゲツツジやニッコウキスゲは、鮮やかなオレンジや黄色が緑の草原に映えて、写真映えも抜群です。自然を身近に感じながら、のんびりとした時間を過ごすには最高の場所と言えるでしょう。
また、美ヶ原高原は「王ヶ頭(おうがとう)」という長野県の中で最も空に近いホテル「美ヶ原高原ホテル山本小屋」があることでも知られています。ここに宿泊すれば、夜には満天の星空を堪能することができ、朝には雲海やご来光といった大自然の神秘に触れることも可能です。日帰りでも十分楽しめますが、時間が許すなら一泊して静かな夜を過ごすのもおすすめです。
交通手段としては、自家用車やレンタカーが便利ですが、夏季限定で松本駅から美ヶ原高原美術館を結ぶ直行バスも運行されています。アクセスのハードルがやや高い分、訪れた人しか見られない絶景と静寂が、特別な旅の記憶として深く心に残るはずです。
美ヶ原高原は、松本の町並みとはまったく異なる表情を持つ場所です。都会の喧騒を忘れ、風と光に包まれた高原の午後を過ごせば、日常では味わえない豊かな時間が体験できるでしょう。
城下町に泊まる贅沢、風情あふれる宿で味わう松本の夜
松本の旅をさらに豊かにしてくれるのが、趣のある宿で過ごす夜のひとときです。松本には、歴史的な町並みに調和する伝統的な旅館から、現代的なデザインホテル、さらには古民家をリノベーションした一棟貸しの宿まで、さまざまなスタイルの宿泊施設が揃っています。どの宿にも共通して言えるのは、松本の「静かで落ち着いた空気」をしっかりと受け継いでいること。喧騒から離れた時間の中で、心からリラックスできる空間が広がっています。
特におすすめしたいのは、松本城から徒歩圏内にある城下町エリアの旅館や町家宿です。この界隈には、数百年の歴史を誇る老舗旅館や、町屋造りを活かした小規模宿が点在しており、それぞれの建物が持つ趣を活かした造りが魅力です。畳の香りが漂う和室、庭園の見える浴室、囲炉裏を備えた共有スペースなど、日本ならではの宿泊体験が楽しめるのが特徴です。
宿泊時には、信州の旬の食材を使った夕食を提供してくれる宿も多くあります。信州牛や地元野菜、山菜料理に舌鼓を打ちながら、松本の地酒をゆっくり味わえば、まさに至福の時間。料理は目にも美しく、一品一品に季節感が込められており、まるで旅の終章にふさわしいご褒美のようです。
また、宿によっては貸切風呂や露天風呂を備えているところもあり、信州の空気を感じながら温かい湯に浸かるひとときは格別。とくに夜になると松本の町はとても静かになり、遠くで川のせせらぎが聞こえるような、落ち着いた夜の風情が楽しめます。窓を開ければ、町の灯りがそっと足元を照らし、昼間とは違った表情の松本が広がっています。
観光に疲れた体をゆっくりと癒し、心をリセットする時間こそが、旅の一番の贅沢かもしれません。歴史ある町に泊まることで、その土地の文化や風土がより深く体に染み込んでくるような感覚が得られるでしょう。朝目覚めた時、「ここに泊まってよかった」と感じられる宿が、松本にはたくさんあります。
2日目は朝から贅沢に、地元カフェで楽しむモーニングと散策
旅の2日目は、少しゆっくりとした朝を迎えるのが松本流。宿で朝食を取るのも良いですが、せっかくなら町に出て、松本の街並みを感じながら地元の人気カフェでモーニングを楽しんでみてはいかがでしょうか。松本市内には、早朝から営業しているこだわりのカフェが数多くあり、観光客だけでなく地元の人々からも愛されています。
中町通りや縄手通り周辺には、築100年以上の町家をリノベーションしたカフェや、アートギャラリーと併設されたモダンな空間など、個性的な店舗が点在しています。無垢材の家具やアンティーク調のインテリアに囲まれながら、淹れたてのコーヒーや、手作りのスコーン、キッシュ、地元野菜を使ったサラダプレートをゆっくりと味わう時間は、旅の中でも特に贅沢なひとときです。
松本のカフェ文化は、地元産の素材を活かすことに強いこだわりを持っている点も特徴です。コーヒー豆は自家焙煎の店が多く、それぞれ異なる風味が楽しめますし、パンやスイーツも地元の小麦や卵を使った自然派志向のものが主流です。季節の果物を使ったコンポートやジャムが添えられた朝食プレートなど、見た目にも美しく、写真に収めたくなる料理が並びます。
食後はカフェを出て、朝の空気の中で散策を楽しむのもおすすめです。早朝の松本は人も少なく、観光地でありながら穏やかな時間が流れています。特に松本城の周囲を歩くと、堀に映る静かな天守や、朝の光を受けて輝く石垣が、前日とはまた違った表情を見せてくれます。鳥のさえずりや風の音を聞きながら、写真を撮ったり、ベンチでぼんやりと過ごしたりするだけでも、心が自然と整っていきます。
また、朝の時間帯は地元の人々が通勤や通学で行き交う時間でもあり、普段の松本の生活風景を垣間見ることができます。観光地の顔とは異なる、素朴で温かな町の表情に触れることで、松本という町の「人の温度」が感じられるはずです。
旅の2日目をゆったりとスタートすることで、急がず騒がず、自分のペースで町と向き合うことができます。こうした「時間の余白」こそが、旅の記憶を豊かにし、帰ってからも思い出すたびに心を温かくしてくれるのです。
旧開智学校で学ぶ明治の面影と教育の歴史
朝のカフェタイムを終えたら、松本の文化と歴史に触れる時間へと移りましょう。その中でも特におすすめなのが、「旧開智学校(きゅうかいちがっこう)」の見学です。この建物は1876年に建てられた日本最古級の小学校のひとつで、文明開化期の洋風建築と日本建築の要素が見事に融合した「擬洋風建築」として非常に価値が高く、国の重要文化財にも指定されています。
旧開智学校の外観は、左右対称の白亜の建物に、唐破風の玄関ポーチと八角形の塔屋が取り付けられており、明治時代特有の「和洋折衷」のデザインが特徴的です。西洋への憧れと日本独自の美意識が融合したこの意匠は、まさに文明開化の象徴ともいえる存在であり、建築好きはもちろん、歴史に興味のある方なら誰もが目を奪われることでしょう。
内部に入ると、当時使われていた教室や教材、教育方針などがそのまま展示されており、まるで明治時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。木製の机や黒板、筆記用具、さらには当時の校則なども展示されており、「学ぶ」ことがどういう意味を持っていたのかを知ることができます。教育の在り方や子どもたちの姿勢が、現代とは大きく異なっていたことが分かり、日本の近代化と教育の関係について深く考えさせられる空間です。
また、旧開智学校では定期的にワークショップや企画展も開催されており、例えば明治時代の教科書を模した資料づくり体験や、筆書きの体験なども楽しめます。子どもから大人まで参加できる内容で、家族連れにもぴったりの学びのスポットです。
周辺の庭も美しく整備されており、散策路には季節の花々が咲いています。天気が良ければベンチで一休みしながら、建物をじっくり眺めるのも良いでしょう。また、旧開智学校からは松本城も近く、徒歩でアクセスできる距離にあるため、前日見たお城の記憶とリンクさせながら、時代のつながりを感じることができます。
歴史を「体験」として味わうことができる旧開智学校は、単なる観光スポットではなく、訪れる人に多くの気づきと感動を与えてくれる場所です。松本という町が持つ教育への熱意と、日本の近代の歩みを実感する貴重なひとときとなるでしょう。
最後はお土産探し!松本ならではの伝統工芸と人気スイーツを厳選
旅の締めくくりには、松本でしか手に入らないお土産を探してみましょう。松本はただの観光都市ではなく、歴史と文化を今に受け継ぐ町です。そのため、伝統工芸品や手仕事の雑貨、地元産の素材を使ったスイーツなど、個性的で質の高いお土産が数多く揃っています。見た目だけでなく、使うごとに愛着がわくような品々ばかりで、贈り物にも自分用にもぴったりです。
まず注目したいのが「松本てまり」です。これは、色とりどりの糸で刺繍された手まりで、元々は子どもの遊び道具でしたが、現在ではその美しさからインテリアとしても人気を集めています。特に中町通りや縄手通りにある工芸品店では、地元の作家が一点一点手作業で仕上げたてまりが販売されており、模様もすべて異なるため、選ぶ楽しさもあります。
また、「松本民芸家具」も有名で、深い色合いと重厚感のある作りが特徴です。もちろん大型家具は持ち帰れませんが、コースターや小物入れなど、旅行者でも購入しやすい雑貨類も充実しています。シンプルながら存在感があり、家に帰ってからも松本の記憶をさりげなく思い出させてくれる品物になるでしょう。
甘いものが好きな方には、松本ならではのスイーツも外せません。「雷鳥の里」というお菓子は、サクサクのウエハースにミルククリームを挟んだシンプルな味わいながら、長野土産として根強い人気を誇ります。その他、信州リンゴやブルーベリーを使ったパイやジャム、地元の養蜂場で採れたハチミツなども人気です。中でも自然派志向の人々に好まれているのが、保存料を一切使わずに仕上げた「手作りジャム」や「ドライフルーツ」で、試食ができるお店も多く、実際に味を確かめて選ぶ楽しさも魅力です。
さらに、松本の「クラフトビール」や「地酒」も外せない一品。市内には個性豊かな小さなブルワリーがいくつかあり、それぞれが特色あるフレーバーを生み出しています。お酒好きな方への贈り物や、自宅で旅の余韻を楽しむための1本として購入するのもおすすめです。
お土産選びは、旅の最後を飾る重要な時間です。単に物を買うのではなく、その土地で出会った「物語」を持ち帰る行為とも言えるでしょう。松本での時間が詰まったアイテムは、旅の記憶を鮮明に残し、帰ってからも何度も思い出を辿らせてくれる大切な存在になります。
帰路につく前に、松本市美術館で草間彌生の世界に触れるアート体験
松本での旅を終える前に、もう一つぜひ立ち寄っておきたいのが「松本市美術館」です。駅から徒歩約10分というアクセスの良さもあり、観光の最後にちょっとアートな時間を過ごすのにぴったりの場所です。この美術館の最大の特徴は、世界的に有名な現代芸術家・草間彌生(くさまやよい)の出身地である松本市にちなみ、常設展示が非常に充実しているということです。
美術館の外観からすでに草間彌生の世界観が色濃く表現されており、正面玄関の前に立つ巨大な「幻の華」と呼ばれるカラフルなオブジェは、記念撮影スポットとしても人気です。水玉模様をモチーフにした外壁やガラス越しに見える展示空間は、まるで異次元の世界に誘われるような、不思議な高揚感を呼び起こします。
常設展示室では、草間彌生の初期のスケッチやドローイング、インスタレーションなど、時代ごとに異なる彼女の作品が体系的に紹介されています。彼女の作品は、色彩の鮮やかさや反復されるモチーフが印象的ですが、そこには幼少期から抱えていた幻覚や強迫観念など、精神の奥深くにある感情が表現されています。その背景を知ったうえで作品を見ると、見た目のポップさの中にある強いメッセージ性に圧倒されることでしょう。
また、松本市美術館では地元作家の展示や企画展も頻繁に開催されており、松本という土地が持つ芸術への感度の高さを感じ取ることができます。常設展示だけでなく、訪れる時期によって異なる展示が見られるのもリピーターにとっての魅力です。館内は広々としており、照明や導線も丁寧に設計されているため、ゆったりと自分のペースで鑑賞を楽しむことができます。
併設されたミュージアムショップでは、草間彌生のデザインをあしらった文房具や雑貨、ポストカードなどが販売されており、アート好きにはたまらないラインナップです。旅の最後に、感性に響く一品を手にすることで、非日常の余韻を自宅まで持ち帰ることができるでしょう。
美術館を後にして駅へと向かう道すがら、旅の出来事を静かに思い返す時間はとても贅沢です。自然と歴史、グルメとアートが調和する松本という町は、訪れる人に多層的な感動を与えてくれます。そして松本市美術館は、その旅の終わりを静かに、しかし印象深く彩ってくれる場所です。
まとめ
松本の旅は、ただの観光では終わらない深い魅力に満ちています。旅の始まりは、アクセスの良い松本駅から。そこを拠点に、日本が誇る国宝・松本城を訪れ、黒塗りの天守閣が醸し出す戦国時代のロマンに触れました。さらに、城下町ならではの風情が残る中町通りや縄手通りでは、古き良き日本の町並みと現代の感性が共存する、散策するだけでも楽しいひとときを堪能できます。
食においては、信州そばや山賊焼きといった地元の味が印象的で、郷土の恵みを五感で味わえる体験が魅力でした。その後に訪れた四柱神社や市内の湧水スポットでは、松本が自然と信仰に支えられた町であることを実感でき、心身ともに清らかな気持ちになれる時間が流れました。
さらに足を伸ばした美ヶ原高原では、高原の空気と絶景、そして野外に広がるアート作品群が、非日常の世界へと誘ってくれました。松本の夜は、歴史ある町屋や旅館でのんびりと過ごすことで、旅の疲れを癒すだけでなく、土地の空気に深く溶け込むような感覚を得ることができました。
翌朝は、地元カフェで味わうモーニングと静かな町の散策からスタート。旧開智学校では明治の面影に触れ、教育と文明開化の歴史を目の当たりにしました。そして旅の最後には、松本市美術館で草間彌生の作品をはじめとしたアートに触れ、感性を刺激する締めくくりとなりました。
松本という町は、派手さや都会的な便利さはないかもしれませんが、その分、ひとつひとつの体験が心に染み入るように丁寧で、思い返すたびに旅の景色が鮮明によみがえってくる不思議な魅力があります。自然、歴史、食、文化、人の温かさ――それらすべてが調和した松本の旅は、静かに心を豊かにしてくれる、まさに「記憶に残る旅」でした。