目次(もくじ)
- 1 観光客でにぎわうワイキキとはまったく違う、ノースショアの魅力とは
- 2 オアフ島の北側へ!レンタカーで行くノースショアのアクセス方法
- 3 ローカルが集う穴場ビーチ「サンセット・ビーチ」の過ごし方
- 4 ワイメア・ベイで体感する、大自然と静寂に包まれた至福のひととき
- 5 ノースショア名物「ガーリックシュリンプ」を味わえるおすすめフードトラック
- 6 波の音しか聞こえないビーチで、読書と昼寝に浸る贅沢な午後
- 7 サーフィンの聖地!冬にだけ現れる巨大波と世界大会の舞台裏
- 8 観光客が少ないからこそ出会える、地元の人との素朴な交流
- 9 ノースショアの夕陽が特別な理由――刻一刻と変わる空と海の色彩美
- 10 夕暮れ時のラニアケア・ビーチでウミガメに出会える確率と時間帯
- 11 ノースショア滞在におすすめの隠れ家風バケーションレンタル
- 12 スマホでは撮りきれない感動!一眼カメラで収めたノースショアの絶景
- 13 旅の終わりに、もう一度だけ静かな海に足を浸す理由
- 14 ワイキキでは得られなかった“本当のハワイ”を感じた3日間の記録
- 15 ノースショアを訪れる前に知っておきたい、天候と持ち物のポイント
- 16 まとめ
観光客でにぎわうワイキキとはまったく違う、ノースショアの魅力とは
ハワイと聞いてまず思い浮かべる場所といえば、多くの人にとってワイキキビーチでしょう。高層ホテルが立ち並び、ショッピングやグルメも充実しており、まさにリゾート感あふれる観光地です。しかし、そのにぎわいとは対照的に、オアフ島の北側に位置するノースショアには、まるで時間がゆっくりと流れているかのような穏やかな雰囲気が広がっています。
ノースショアの最大の魅力は、その「静けさ」です。人混みから離れて、波の音だけが耳に届くビーチや、地元の人しか知らないようなトレイル、自然そのままの景色が残っているのがこのエリアの特長です。ワイキキのような賑やかな観光地とは違い、訪れる人々は大半がリピーターか、ゆったりと過ごすことを目的に来た旅慣れた人々。観光名所に振り回されることなく、自分のペースで旅を楽しめるのがノースショアの良さだと言えるでしょう。
さらに、ノースショアには大規模なリゾート施設が少なく、そのぶん自然環境が色濃く残っています。ビーチのすぐ近くまで緑が迫り、サーファーたちが静かに波を待っている姿や、地元の人がピクニックをしている様子など、素朴なハワイの日常を垣間見ることができます。華やかさはないかもしれませんが、心がじんわりと温まるような体験がそこにはあります。
オアフ島の北側へ!レンタカーで行くノースショアのアクセス方法
ノースショアを訪れるためには、移動手段の選択が重要です。オアフ島内の公共交通機関である「ザ・バス」も利用可能ですが、本数が少なく、観光にはやや不便。時間に縛られず、自由に移動したい場合は、やはりレンタカーの利用が断然おすすめです。
ホノルル国際空港またはワイキキ周辺のレンタカーオフィスで車を借り、H-1フリーウェイからH-2を経由し、カメハメハ・ハイウェイを北上すると、1時間半ほどでノースショアに到着します。道中にはハレイワという小さな町があり、ここがノースショア観光の拠点となる場所です。ハレイワにはガソリンスタンドやカフェ、スーパーなどもあり、軽い休憩にも最適です。
ドライブ自体も、ノースショアの旅の一部として楽しめます。都市部を抜けると次第に視界が開け、サトウキビ畑やパイナップル農園、広大な山々が車窓を飾ります。運が良ければ、道端で牛がのんびりと草を食べている姿に出会うことも。ハワイの大自然を間近で感じながらのドライブは、これだけで旅気分を盛り上げてくれます。
なお、観光シーズンや週末は道路が混雑することがあるため、午前中の早い時間に出発するのがおすすめです。また、ビーチ沿いの駐車場は数が限られているため、人気のスポットへ行く場合は早めの到着を心がけましょう。
ローカルが集う穴場ビーチ「サンセット・ビーチ」の過ごし方
ノースショアで外せないビーチのひとつが「サンセット・ビーチ」です。その名の通り、夕暮れ時の美しさで知られていますが、昼間の静けさと開放感も魅力的です。観光客が集まりやすいワイメア・ベイやラニアケア・ビーチに比べると、やや人が少なく、地元の人たちがのんびりとビーチチェアを並べて日光浴を楽しんでいる姿が印象的です。
ここでは、何もせずただ波の音を聞きながら過ごす時間が格別です。本を読んだり、音楽を流しながらお昼寝をしたり、日常の喧騒をすべて忘れさせてくれる空間が広がっています。波が強い日は遊泳には向きませんが、サーフィンの名所でもあるため、プロサーファーのパフォーマンスを間近で見ることもできます。彼らのダイナミックなライディングは、見ているだけで興奮するほどです。
また、サンセット・ビーチはその名の通り、日没時に真価を発揮します。水平線に沈んでいく太陽が海をオレンジ色に染める光景は、言葉を失うほどの美しさです。特に空が少し雲に覆われている日には、雲の隙間から差し込む光がドラマチックな風景を作り出します。観光ガイドにはあまり載っていないこのスポットこそ、ノースショアの魅力を象徴する場所の一つだと言えるでしょう。
ワイメア・ベイで体感する、大自然と静寂に包まれた至福のひととき
ノースショアの中でも特に有名なスポットのひとつ、ワイメア・ベイ。ここはただのビーチではなく、周囲を切り立った崖に囲まれ、深く落ち着いた青色の海が広がる、まさに自然の壮大さを感じられる場所です。観光地とは思えないほどの静寂が広がり、訪れるだけで心がすっと落ち着くのを感じます。
ワイメア・ベイの魅力は、その変化に富んだ表情にあります。夏の間は海が穏やかで、透明度の高い水の中をシュノーケリングで楽しむことができる一方、冬になると一変し、世界中からプロサーファーが集まるほどの巨大な波が押し寄せます。このダイナミックな自然の変化を目の当たりにすることができるのは、ノースショアならではの体験です。
また、ワイメア・バレーというトレイルコースも近くにあり、30分ほど歩けば滝壺にたどり着ける散策ルートもあります。豊かな植物に囲まれた小道は、まるでジャングルの中を探検しているような気分になります。バレーの途中にはハワイ固有の植物や歴史的な遺跡も点在しており、自然と文化の両方を感じられる場所です。
ビーチに戻ってからは、木陰で昼寝をするのもおすすめです。波の音とそよ風に包まれた環境は、まるで瞑想しているかのような感覚を与えてくれます。大自然に身を委ねることで、日常のストレスや緊張感がすっと消えていくのを感じるはずです。
ノースショア名物「ガーリックシュリンプ」を味わえるおすすめフードトラック
ノースショアを訪れたら、絶対に外せないのが「ガーリックシュリンプ」です。プリプリのエビをニンニクたっぷりのソースで炒め、ご飯と一緒にプレートに盛りつけたこの料理は、地元でも観光客にも絶大な人気を誇るソウルフード。特にノースショアのフードトラックは、その味とボリュームで一度食べたら忘れられないインパクトを残します。
中でも有名なのが「ジョバンニズ・シュリンプ・トラック」。白いバンにびっしりとサインが書かれているのが目印で、行列ができることもしばしばです。ここのガーリックシュリンプは、香ばしく炒めたエビに濃厚なガーリックソースが絡み、ご飯との相性が抜群。紙皿に豪快に盛られた料理を、ビーチ近くで潮風に吹かれながら食べるのが最高の贅沢です。
他にも、地元民がこぞって通う「フミズ」や「ロミーズ」など、個性あふれるフードトラックが点在しています。各店ごとにソースの味や辛さ、エビのサイズや殻の有無が違うため、食べ比べをしてみるのも楽しい体験になります。どこもカジュアルな雰囲気で、気軽に立ち寄れるのが魅力です。
観光地の高級レストランでは味わえない、手作り感とボリューム、そして何より地元の温かみを感じられるのが、フードトラックの良さです。ノースショアに来たらぜひ、ガーリックシュリンプでローカル気分を味わってみてください。
波の音しか聞こえないビーチで、読書と昼寝に浸る贅沢な午後
ノースショアで過ごす時間の中でも、何もせずにただビーチにいるという贅沢は、心と体のリセットに最適です。特に平日の午後は観光客も少なく、ビーチには静けさが広がっています。潮風と波の音に包まれながら、読書や昼寝をして過ごすこのひとときは、まるで時が止まったかのように感じられます。
おすすめの過ごし方は、まずビーチタオルを広げ、好きな本を片手に腰を下ろすこと。陽射しが強すぎる場合は、ビーチパラソルや木陰を選びましょう。風にページがめくられるたびに、周囲の自然の音が耳に入ってきて、物語の世界に入り込むのとはまた違った感覚が味わえます。読書に疲れたら、目を閉じてしばし昼寝。砂浜のやわらかさと潮の香りが心地よく、普段なかなか味わえないような深いリラックス状態に入れます。
特におすすめのビーチは、「トートビーチ」や「パパイロアビーチ」。どちらも観光ガイドにはあまり載っていない穴場で、プライベートビーチのような静けさが魅力です。近くには小さな駐車スペースがあるので、レンタカーでもアクセス可能。人の気配が少なく、自分だけの時間にどっぷりと浸ることができます。
贅沢とは、高級なものを手に入れることではなく、自分のペースで心地よく過ごす時間を持つこと。その本質を、ノースショアの静かなビーチが教えてくれます。
サーフィンの聖地!冬にだけ現れる巨大波と世界大会の舞台裏
ノースショアは「世界のサーフィンの聖地」として知られており、その名に恥じないほどのスケールの海が、冬の季節に姿を変えます。特に11月から2月にかけては、北太平洋から押し寄せる大波がこの地を覆い尽くし、世界中からプロサーファーたちが集まる壮観なシーズンとなります。
最も有名なのが「バンザイ・パイプライン」と呼ばれるビーチ。ここでは、波の高さが10メートルを超えることもあり、そのチューブ状に巻かれる波の中を滑るサーファーの姿はまさに圧巻。命がけのサーフィンとも言われるこの場所は、見学するだけでも迫力満点です。冬の間はここで「パイプマスターズ」という国際的な大会も開催され、トップレベルのライダーたちの競演が楽しめます。
大会が行われる期間中は、会場周辺が観客でにぎわいますが、観戦エリアは意外にもビーチのすぐそば。シートやビーチチェアを持参すれば、目の前で世界レベルのライディングを観ることができます。地元の人たちは慣れた様子でピクニックのように観戦を楽しんでおり、観光客もその輪に自然と溶け込めます。
波の音と歓声、そして時折聞こえる実況の声が交差する会場の雰囲気は、ノースショアならではのエネルギーに満ちています。一方で、サーフィンが終わった後の静けさにも趣があり、同じ場所でも時間帯や気候によってまったく異なる表情を見せるのがこの地域の魅力でもあります。
サーフィンに詳しくなくても、自然と人間の共演とも言えるこの風景は一見の価値あり。ノースショアを訪れるなら、ぜひ冬の大会シーズンを狙ってみてください。
観光客が少ないからこそ出会える、地元の人との素朴な交流
ノースショアの魅力は自然だけではありません。観光地としての開発が控えめである分、地元の人々と直接触れ合う機会が多いのもこの地域ならではの特徴です。レストランのスタッフ、フードトラックのオーナー、ビーチで出会うローカルサーファーなど、どこにいても気さくに声をかけてくれる人々が多く、旅に温かさと深みを与えてくれます。
ハレイワの街では、地元産の野菜やクラフトが並ぶファーマーズマーケットが定期的に開かれています。ここでは地元農家の人々が自慢の野菜やフルーツを売っており、試食をしながらのんびりと買い物が楽しめます。観光客向けというよりは、地元の人たちが日常的に利用する場所なので、何気ない会話からその土地の文化や生活習慣を感じることができます。
また、偶然出会ったローカルから、思いがけず「この先に静かな入り江があるよ」と教えてもらえることも。そういった出会いはガイドブックには載っておらず、その土地を「生きた体験」として記憶に残す特別な瞬間になります。
英語が堪能でなくても、表情やジェスチャー、少しの勇気があれば十分に交流は成立します。特に子連れの旅行者や一人旅の女性に対しても、親切に接してくれる人が多く、安全で安心して過ごせる地域です。こうした素朴な交流が積み重なることで、ノースショアでの旅は単なる観光を超えた“人との出会いの旅”へと変わっていきます。
ノースショアの夕陽が特別な理由――刻一刻と変わる空と海の色彩美
ノースショアの夕陽は、ただ「きれい」という言葉では語り尽くせないほど、時間と共に姿を変える壮大な自然のショーです。日が沈むにつれて、空の色がゆっくりとグラデーションを描き、太陽が水平線に近づくにつれて、海面はまるで金色に輝く鏡のように光を反射します。この変化の一瞬一瞬がとにかく美しく、多くの人が言葉を失い、ただじっと見つめる時間が流れます。
このエリアのサンセットが特別なのは、光を遮る高層ビルが一切ないこと、そして空と海の広さが果てしなく感じられることにあります。都会のサンセットでは味わえない、地平線の向こうまで広がる空が、視界いっぱいに広がるのです。また、雲の形や位置によって夕陽の色が変わり、同じ場所でも日によってまったく違う印象を受けるのも魅力のひとつです。
おすすめの時間帯は、日没の30分前から。まだ明るさの残る空にオレンジやピンクの色がにじみ始め、その後、紫がかった濃い色合いへと変わっていきます。これをビーチの砂の上に座って眺めていると、時間がゆっくりと溶けていくような不思議な感覚になります。写真に収めるのも素敵ですが、肉眼でしか捉えられない美しさも多く、心に焼きつけることをおすすめします。
また、太陽が沈んだ後の「マジックアワー」も見逃せません。完全に日が落ちた後、空に淡いブルーや赤紫色が残るこの時間帯は、旅の終わりにふさわしい幻想的な風景を演出してくれます。日常の疲れやストレスが、夕陽とともに静かに消えていくような、そんな感覚を味わえるのがノースショアの夕暮れです。
夕暮れ時のラニアケア・ビーチでウミガメに出会える確率と時間帯
ノースショアで人気のもう一つのスポットが、ウミガメとの出会いが期待できる「ラニアケア・ビーチ」です。このビーチは、地元では「タートル・ビーチ」とも呼ばれており、日中の観光客でにぎわう時間を避けて、夕方から訪れると静かで神秘的な雰囲気に包まれます。
ウミガメ(ハワイ語で「ホヌ」)が砂浜に上がってくるのは、主に午後3時以降から日没前までの間。この時間帯は気温も少し落ち着き、海も穏やかになりやすいため、彼らにとっても上陸しやすい環境となります。実際に砂浜の上でのんびりと甲羅干しをするウミガメの姿を見かけることも多く、特に運が良ければ2匹、3匹と並んで休んでいる様子を間近で見ることができます。
ウミガメに近づく際には、絶対に触れたり追いかけたりせず、5メートル以上の距離を保つのがハワイのルールです。地元のボランティアが保護のために見張っていることもあり、マナーを守って静かに観察することが求められます。とはいえ、その距離でも十分に大きく立派な姿を見ることができ、特に子どもや動物好きには忘れられない体験となるはずです。
夕暮れ時にウミガメを見ながら、空と海の色が徐々に変わっていく風景を楽しむ――そんな贅沢な時間は、観光地の喧騒を完全に忘れさせてくれます。ラニアケア・ビーチは駐車場が限られているため、少し早めに訪れるか、近くに車を停めて歩いて向かうのが良いでしょう。海と空と命が共存する、この神秘的なビーチでの体験は、旅のクライマックスにふさわしい思い出になります。
ノースショア滞在におすすめの隠れ家風バケーションレンタル
ノースショアでの滞在をより深く楽しむには、ホテルではなく「バケーションレンタル」を選ぶのがおすすめです。このエリアには、地元の人々が管理する一軒家やコテージ、スタジオタイプの小さな宿泊施設などが点在しており、まるで暮らすように旅をする体験ができます。ワイキキのような高層ホテルはほとんどなく、そのぶん自然と一体化した隠れ家のような空間が広がっています。
特に人気なのが、サンセット・ビーチやププケア周辺にある海沿いのコテージ。ベランダから直接ビーチにアクセスできる物件も多く、朝起きてすぐに波の音を聞きながらコーヒーを楽しむという、まさに理想的な時間が待っています。夜には星空が広がり、人工的な光が少ないため、天の川まで見えることも珍しくありません。
設備面では、キッチン付きの宿が多く、ローカルのスーパーやファーマーズマーケットで手に入れた食材で自炊を楽しむのも旅の醍醐味です。朝は新鮮なフルーツで始まり、夕食には簡単なバーベキューを海を眺めながら――そんな時間が、特別な思い出として心に残ります。
宿のオーナーも親切な人が多く、チェックインの際におすすめのビーチや食事処を教えてくれることもあります。中にはサーフボードや自転車を無料で貸し出してくれるところもあり、アクティブな旅がしたい人にもぴったりです。予約はAirbnbやVrboなどのサイトで可能ですが、人気の宿はすぐに埋まってしまうため、早めの予約がおすすめです。
ノースショアのバケーションレンタルは、静けさと快適さを両立した理想の滞在スタイル。ホテルのようなサービスはないかもしれませんが、その分、日常の延長線上にあるような、自然体の旅を楽しむことができます。
スマホでは撮りきれない感動!一眼カメラで収めたノースショアの絶景
ノースショアの風景は、ただ綺麗というだけでは語り尽くせない、多彩な色と陰影にあふれています。その瞬間ごとに変化する光と影、海と空、そして動きのあるサーファーやウミガメ。これらの一瞬一瞬を本当に美しく残すには、スマホではなく、一眼カメラの力が欠かせません。
朝のやわらかな光に包まれたビーチ、日中の輝くような青空と白波、夕暮れ時のドラマチックな色彩のグラデーション。これらを写真に収めると、後から見返したときにその場の空気や匂いまで思い出せるような、深みのある記録になります。特にサンセット・ビーチやワイメア・ベイなどは、広角レンズで全体を写すと、自然の壮大さがより際立ちます。
また、望遠レンズを使えば、沖のサーファーの迫力あるライディングや、波打ち際で甲羅干しするウミガメの表情まで繊細に撮影することができます。風景と人物のバランスを考えながら構図を決める楽しさも、一眼カメラならではです。旅を通して写真の腕を磨くこともでき、自己表現の一つとしての旅の形にもなります。
撮影の合間には、カメラを置いてその場の風景に身を委ねるのも大切です。画面越しでは感じ取れない自然のダイナミズムや静けさは、実際にその場にいるからこそ味わえるもの。写真は記録であると同時に、感動を再生する手段でもあるのです。
ノースショアは、写真好きにとってまさに理想的な撮影フィールド。スマホでは収まりきらない美しさを、一眼レフでじっくりと切り取ってみてください。
旅の終わりに、もう一度だけ静かな海に足を浸す理由
旅の終盤、帰国や次の目的地への出発が近づくにつれ、心はどこかせわしなくなります。しかし、ノースショアを離れる前にぜひしてほしいことがあります。それは、静かな海にもう一度だけ足を浸すこと。たった数分の行動ですが、その瞬間に感じる感覚は、この旅全体の締めくくりとしてふさわしい深い余韻を残してくれます。
朝の早い時間、人の気配がないビーチを裸足で歩くと、ひんやりとした砂と打ち寄せる波が足を優しく包みます。その水の感触は、初めてこの地に訪れたときとはまったく違った意味を持ちます。すでにこの土地の空気、音、匂い、人々の温かさに触れ、旅が自分の一部になっているからこそ、その海の静けさが心の深いところに染みわたるのです。
このときはスマホもカメラも置いて、ただ目の前の風景に身を委ねてください。遠くで波が崩れる音、ゆったりと流れる風、空を横切る鳥の姿――そんな何気ない自然の営みが、旅の締めくくりを豊かにしてくれます。大切なのは、体の感覚を通して「ここにいた」という事実を刻み込むこと。ノースショアの海がくれる最後のプレゼントは、静かでありながら力強い「記憶」です。
一度足を浸した海の感覚は、帰国して日常に戻ってからもふと蘇ります。満員電車の中や、慌ただしいオフィスで、ふと「またあの静かな海に行きたいな」と思い出すことがあるかもしれません。その記憶があるだけで、人生は少しだけやさしくなる。ノースショアという場所が、あなたの心に静かに住み続けるのです。
ワイキキでは得られなかった“本当のハワイ”を感じた3日間の記録
ワイキキでの旅は、間違いなく快適で便利です。ショッピング、エンタメ、美味しいレストラン、どれもそろっていて、「ザ・リゾート地」という印象が強く残るでしょう。しかし、ノースショアで過ごした3日間は、まったく異なる記憶として心に刻まれました。そこには、観光というよりも「滞在」という言葉がふさわしい、ゆっくりとした時間の流れがありました。
初日はサンセット・ビーチでの読書と昼寝から始まりました。砂のやわらかさ、潮風の心地よさ、そしてまったく邪魔されない静けさが、体から都会の疲れを少しずつ溶かしてくれました。夕暮れ時には、地元の人たちと肩を並べてサンセットを見つめ、言葉がなくても通じ合うような一体感を感じました。
2日目は、ワイメア・ベイでの自然散策と、フードトラックでのガーリックシュリンプ。どれも豪華ではないけれど、素材の味と人の温かみが詰まった体験でした。そして、偶然出会ったサーファーから教えてもらった秘密の入り江では、誰もいないビーチでただ波を見つめるという贅沢な時間が流れました。
3日目は朝からラニアケア・ビーチへ。運よくウミガメに出会い、その姿を静かに見守ることで、「共に生きる」という感覚を体で理解しました。旅の締めくくりには、何も持たずにビーチに座り、足を海に浸しました。そのとき心に浮かんだのは、「帰りたくない」という単純な想いでした。
この3日間で感じたことは、ワイキキでは得られなかった“ハワイの素顔”です。自然、地元の人々、静けさ、そして何より、自分自身と向き合える時間。ノースショアは、そんな深い旅を与えてくれる場所です。
ノースショアを訪れる前に知っておきたい、天候と持ち物のポイント
ノースショアでの滞在を心から楽しむためには、事前に現地の天候や必要な持ち物について把握しておくことがとても大切です。ワイキキなどの都市部と違い、自然が色濃く残るノースショアでは、ちょっとした準備不足が旅の快適さを左右することもあります。特に初めて訪れる方にとっては、現地の環境を理解したうえでの準備が、スムーズな旅の鍵となります。
まず、ノースショアの天候は季節によって大きく異なります。冬(11月〜2月)は北からのうねりが強く、海が荒れやすくなる一方、サーフィンには最適な時期となります。この時期はスコールのようなにわか雨が降ることも多いため、レインジャケットや防水バッグがあると便利です。逆に夏(5月〜9月)は波が比較的穏やかで、シュノーケリングや海水浴に向いています。ただし、紫外線が非常に強いため、日焼け止めは必須です。
服装は基本的にカジュアルでOKですが、日差し除けとして薄手の長袖シャツ、帽子、サングラスなどを持って行くと安心です。また、ビーチサンダルのほかに、岩場やトレイルを歩くためのスニーカーやウォーターシューズも持って行くと、行動範囲が広がります。虫除けスプレーやポータブルチェア、ビーチタオルも現地で役立つアイテムです。
また、ノースショアには大きなスーパーが少ないため、ホノルル市内で事前に飲み物やスナック、必要な日用品を買っておくのがおすすめです。とはいえ、地元のファーマーズマーケットや個人経営のショップでもユニークな商品が手に入るので、現地調達も楽しみの一つではあります。
最後に、カメラやスマートフォンの充電器、モバイルバッテリーも忘れずに。美しい風景に出会ったときに電池が切れていた、ということがないよう、しっかりと準備しておきましょう。ノースショアの旅は、計画と持ち物次第でその魅力を何倍にも味わうことができます。
まとめ
オアフ島ノースショアは、ワイキキのようなにぎやかさから一線を画した、静けさと大自然の魅力にあふれた場所です。観光地としての派手さはないかもしれませんが、その分、本当の意味での“癒し”や“気づき”を与えてくれる時間が待っています。静かなビーチで過ごす午後、地元の人々との心温まる交流、太陽が沈む空と海の壮大なグラデーション、そして足元の波がすべてを包み込むような穏やかさ――これらの体験は、人生の記憶に長く残るものになるでしょう。
レンタカーでのアクセスや持ち物の準備、滞在先の選び方、さらには一眼カメラでの風景の切り取り方まで、細やかな配慮と下調べが、ノースショアでの旅をより豊かにしてくれます。そして何より、この地を訪れることで、自分自身の内側にある“静けさ”にも耳を傾けられるようになるはずです。
ワイキキでは感じられなかった“本当のハワイ”。それを体験できるのが、ノースショアという特別な場所です。この記事を読んでくださったあなたが、次の旅先にノースショアを選び、忘れられない時間を過ごせることを願っています。